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                              二  ナノテクノロジ―による人類文明危機の可能性


                                                 はじめに

 人類のテクノロジーは、生態系変化とともに食料革命をまず誕生させ、数千年後に今度は衣料革命を生み出し、衣食住という生業に関わる革命を生み出した。現在、それらが、AIロボット、ナノテク、遺伝子工学という三大テクノロジーを生み出しているのである。

 問題は、テクノロジーは人類文明には「諸刃の剣」だということだ。元来テクノロジーは、人類の衣食住という物質文明を向上させるとともに、自然に対峙する人類文明破滅危機を内包しているのである。問題は、両側面が拮抗し対立しつつそれぞれに展開していても、やがて後者の人類滅亡危機が優勢となれば、前者を圧倒する可能性があるということである。

 しかし、未だこの三大テクノロジーと人類文明との連関が学問的に把握されていないのである。そこで、以下では、ナノテクノロジーの基本的特徴を踏まえた上で、ナノテクの奨励、展開がいかになされたかを考察した上で、ナノテクが、いかなる人類文明破滅危機の可能性を孕んでいるかなどを検討する。


                                       1 ナノテク研究領域の定義 

 定義の困難性 ナノ物質の定義は明確である。つまり、OECD(経済協力開発機構)工業ナノ材料安全部会、国際標準化機構(SOI)のTC229(ナノテクノロジー専門委員会)は、「少なくとも一つの次元が100nm(ナノメートル、ナノは10億分の1[10−9]の意味)以下の物質」を「ナノ物体」と定義する(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。さらに、「1ナノメートルになると、自然界に存在する比較的単純な(無機)分子1個の大きさに近づ」き、「それ以下では原子が0.1ナノメートル=IA(オングストローム)で、ナノテクノロジーで扱うサイズのほぼ下限にな」る(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』技術評論社、2010年、16頁)。

 しかし、ナノテクという用語の定義は非常に困難である。初めからナノテクという研究領域があったのではなく、原子・分子という領域から漠然と生み出されてきたものだからである。

 ドイツ・ダルムシュタット工科大学(Department of Philosophy)のヨアヒム・シュマー(Joachim Schummer)は、UNESCO加盟国が1998年に設立したCOMEST(World Commission on the Ethics of Scientific Knowledge and Technology)の報告書所収の“Identifying ethical issues of nanotechnologies”において、ナノテク定義に関して、@ナノテクという名称に基づく定義、Aナノテクが目標とする内容に基づく定義、B現実に「ナノテク」として研究・開発されているものによる定義という三つの種類を提起している(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。遺伝子工学がゲノムに研究対象が限定されているのに比べて、ナノテク自身がこのように流動的・包括的であり、絶えず変容しつつ推進されているので、一義的にはとらえきれないというのである。

 J.ストーズ・ホールは、ナノテクノロジーには、@「100ナノメートルより小さなものを扱う全てのテクノロジー」、A「すべての原子や化学結合が精密に規定されたマシンの設計・製造」という「二種類の意味」があるとする(J.ストーズ・ホール、斎藤隆英訳『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』 紀伊国屋書店、2007年、25−7頁)。

 このように、ナノテク定義は簡単にはできないのであり、狭義(シューマーの@・A、ホールの@)と広義(シューマーのB、ホールのA)の定義があるようだ。

 狭義定義 この狭義定義に関して、ビル・マッキベンは次のような定義を試みている。つまり、彼は、ナノテクノロジーとは、1959年に物理学者リチャード・ファイアーマンが指摘したように、「小型化の次のステップであり、マイクロテクノロジーよりも一段下のスケール」であり、1ナノメートルは1mの1億分の1(1マイクロメートルは1mの100万分の1)であると定義した(ビル・マッキベン『人間の終焉』109頁)。

 そして、ナノテクノロジーの目的については、ビルは、「かなり少ない数の複雑なマシンをつくる」「コンピュータチップの設計者」と、「何十億という数の比較的単純な、しかし極小的には正確なマシンをつくる」化学者との「合流」から生まれ、「何兆という数の複雑で極小的に正確なマシンをつくること」(ビル・マッキベン『人間の終焉』110頁)とする。

 広義定義 広義定義に関しては、、J.ストーズ・ホールは、ナノテクノロジーとは「物をソフトウェアにするもの」、 「ソフトウェアは複雑怪奇」であり、「各コンピュータの命令セットという低レベルのものから、オペレーティング・システムとそのインターフェイス、コンパイラとソフトウェア開発環境、アルゴリズムの数学的解析などのコンピュータ・サイエンス」まで「それ自体に、膨大な数のテクノロジーが詰まっている」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』355−6頁).とする。

 産総研は、「ナノテクの研究は、まだ始まったばかりで」、「次々に新しい発見や技術の進歩があ」り、「コンピュータや携帯電話に使われる半導体や、遺伝子治療に使われるDNAなども、このナノテクによって新たな可能性がひらけるものと期待され」、「ナノの世界を見ることが出来るプローブ顕微鏡」が必要であり、「様々な分野の最先端技術が集まって、更にその先を目指している」とする(産総研のHP)。

 また、吉田典之氏は、 「『ナノテクノロジー』という一つの独立した領域があるのではなく、新しい機能を生み出していくために、分子や原子レベルの働きへと、視点がより深く、小さくなっていったものがナノテク」であり、「ナノテクの代表例は携帯電話にパソコン、ゲーム機といった電子機器」で、「さらに小型化しながら機能はどんどん高まってい」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』技術評論社、2010年、3頁)るとして、現実の開発領域では各種各領域が独自な展開を示しているとするのである。

 さらに、UNESCOの報告書では、「ナノテクノロジー」を「少なくとも一つの次元が100nm以下の物質をコントロールすることにより、機能をもつ材料、デバイス、システムを研究、設計、創出、合成、操作、応用すること、そしてそのスケールで通常現れる新たな現象や特性を利用すること」と定義している(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 こうして、ナノテクを包括的に定義すれば、広義では、製造業・情報産業から生物学・医学まで包含する「100ナノメートルのスケールでの材料や現象の研究・制御」を指し、狭義では「原子や分子を操作して微小な装置を組み立てる技術」(訳者斎藤隆英「あとがき」[J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』381頁])となる。ただし、これはあくまで概括的定義であり、ナノテク応用範囲が非常に包括的でもあることから、ナノテク用語の定義が「国や分野」ごとに一定しないものでもある(五島綾子、竹中 厚雄,柳下皓男「日米におけるナノテクノロジーの解釈と研究開発の相違ーカーボンナノチューブを事例にして」『科学技術社会論研究』2008年10月)。


                                       2 ナノテク研究の展開

 未開拓の分子・原子の底辺 1959年、アメリカ物理学者リチャード・ファインマン(Richard Feynman)は、“There’s Plenty of Room at theBottom”と題された講演で、「物質を微細化した底辺にある原子や分子には、まだ開拓されていない原理や現象があり、それらを探求・活用する新たな科学や技術が今後広がっていくだろう」と予測した(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』技術評論社、2010年、17頁)。このリチャード・ファインマン講演がナノテクノロジー登場の一つの重要な契機となったことは、現在でもしばしば言及される(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月など)。

 1969年、江崎玲於奈氏は、「複数の物質の結晶格子(結晶中の原子の配置構造)を規則的、周期的に並べ、その配列の周期を一つのまとまりとして新しい性質を創出する『超格子』の考え」を提案した。1974年には、谷口紀男氏(理科大)が底辺にある原子や分子に対して「『ナノテクノロジー』(Nanotechnology)という言葉を最初に用いた」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』17頁)のであった。

 この様に、ナノテクノロジーとは、「テクノロジーの進歩の波が原子物理学(電子の量子力学で、原子核を不変の基本粒子と見なす)に押し寄せたときに登場が予想されるテクノロジー」なのでであった(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』41頁)。ナノテクとは、生業の必要が生み出したというより、分子・原子の研究が生み出したものであった。

 分子ナノテクノロジーの実用性 1977年、ドレクスラーはリチャード・ファイアマンの「理念」を引き継いで、「MITで分子ナノテクノロジーの仕事を始め」、1981年、IBMの科学者二名が「個々の原子の像を初めて直接的にとらえた」走査型トンネル顕微鏡を開発し、MIT研究者のK・エリック・ドレクスラーが「天然のタンパク質合成のメカニズムによって、分子サイズのマシンをつくれることを立証できるという論文」を発表した。その点で、1981年は、「ナノテクノロジーにとって重要な転換期」となった(ビル・マッキベン『人間の終焉』110頁)。

 1985年には、炭素原子60個で構成されるサッカーボール状の構造を持つC60フラーレン(これはバッキーボールと呼ばれ、この直径は約1nm[1nmは1mの10億分の1]である)が発見された(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 1986年にドレクスラーは『ナノテクノロジー 創造する機械』を出版し、「それ以来、理論的研究によって分子ナノテクノロジーの実現性はますます明確になり、本書の結論が確証されるようにな」り、「同時に、実験的研究も素晴らしい進展を示し、分子ナノテクノロジーの実在性と実用性が広く認識されるようになった」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』329頁)のである。

 1988年ドレクスラーはスタンフォード大学で「ナノテクノロジーを教える講義」を開いた。1990年に、IBMが走査型トンネル顕微鏡を用いて「35個のキセノン原子(元素記号 Xe ,原子番号 54,原子量 131.29)をニッケル結晶の表面の適切な場所に並べて『IBM』と書」き、このIBMの文字が「『ネイチャー』の表紙を飾る」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)ことにもなった。この時から、「ナノテクノロジーはにわかに一般社会に意識されるようになった」(ビル・マッキベン『人間の終焉』110頁)。

 1989年、フォアサイト・インスティテュートは、「ナノテクノロジーに関する最初の会合」を開き、ここで、日本は「分子システム・エンジニアリングを21世紀の基盤テクノロジーとみなしていること」を表明した(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』326−7頁)。

 1991年には、さらに飯島澄男氏により「カーボンナノチューブ(CNT)という・・ナノテクを象徴するといってよい材料」が発見された(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。


                                       3 ナノテク振興政策 

 政府・機関の奨励 1992年、日本で国家プロジェクトとして「原子のレベルからスタートして新機能、新素材を生み出すことを目的とした」「アトム・テクノロジー・プロジェクト」がスタートした(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』18−20頁)。文科省『科学技術基本計画』(平成7[1995]年11月に公布・施行された科学技術基本法に基づき、 科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画)によると、「ナノ(10億分の1)メートルのオーダーで原子・分子を操作・制御することにより、ナノサイズ特有の物質特性等を利用して全く新しい機能を発現させ、科学技術の新たな領域を切り拓き、幅広い産業の技術革新を先導するもの」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』技術評論社、2010年、10頁)と提唱された。

 2000年には、米国でナノテクノロジー国家戦略(NNI[National Nanotechnology Initiative])が発表され、クリントン大統領は「国会図書館の情報を角砂糖の大きさのメモリーに記録する」、「鉄鋼よりも10倍強く、しかもずっと軽い材料を生み出す」、「原子や分子からボトムアップで材料や製品を組み立てる」こと、「水や空気から最も微細な汚染物質をも除去する」などとした(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』20頁、J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』384頁)。
 
 このNNIには各国が追随し、日米欧などの先進国を中心に新興国・発展途上国が膨大な資金を投入して研究・開発競争の様相を呈してゆく。日本では、2000年後期に「ナノテクノロジーの戦略的推進に関する懇談会」を設置し、日本全体の今後の取り組みを議論した。2001年からは、総合科学技術会議のもとで、ナノテク戦略が決められ、ナノテクノロジーは、情報通信・医療・バイオ・環境・エネルギーの諸問題を解決する基幹科学技術と位置づけられている。2002年日本文科省がナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターを発足させた(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』20頁)。

 こうした奨励もあって、「テクノロジーの変化のペースは加速しつづけており、今後数十年の変化においては、ナノテクノロジーが主役を果たすことになろう」(J.ストーズ・ホール、斎藤隆英訳『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』 紀伊国屋書店、2007年、9頁)と期待された。実際に、この頃、ナノテクの急速な発展が注目され、AI7ロボットや遺伝子工学との相乗作用が指摘されもした。

 つまり、2001年11月、イスラエルの科学者グループが、「DNAを操作する天然酵素からな」る「生物分子を用いてプログラム可能な極小コンピュータ(「0.1ミリリットルの水溶液一滴のなかに、一兆個が共存して並列計算賀できる」)をつくりだし」)、2001年12月、インテル社とAMD社が、「トランジスターのゲート長を小さくすること(15ナノメートル、つまり原子60個を一列に並べたくらいの幅)によって次世代のマイクロプロセッサを大幅にスピーアップ」した。2002年9月、ヒューレッド・パッカード社が、「チップ上に10ナノメータの間隔でナノワイヤを配置することに成功した」と発表し、2002年10月には、IBMが、「銅の表面に配置した一酸化炭素分子を用いて、現行の半導体チップに使用されているシリコンモデルの26万分の1に相当する極小の論理回路の動作に成功」した。この様に、この時期、「先進的なロボット工学やナノテクノロジーなどの技術」は進歩し、「遺伝子操作との組み合わせによっても、人間の意味を急速に消失させてしまいかねな」くなっていたのであった(ビル・マッキベン『人間の終焉』河出書房新社、2005年、94−5頁)。

 2004年には、ナノテクノロジーによる産業立国を期して、早稲田大学がナノテクノロジーに関する産官学の連携を進める「場」として、早稲田大学ナノテクノロジーフォーラム(略称NFM)を設置した。ナノテクノロジーは、「今やモノづくりの基盤技術として確立し、医薬、バイオ、 エネルギーなどの産業分野に広く貢献するなど時代が移り変わってきてい」るとみた(早稲田大学ナノテクノロジーフォーラムのHP)。

 ナノテクの普及 2005年頃、「目に見えないほど小さい酸化亜鉛の粒子を使った日焼け止めローション」、「眼鏡レンズの紫外線カットのためのコ―テインング剤」などをつくるナノテク企業(ナノグラム、ナノオプト、ナノフェイス、ナノスフェア、テクナノジーなど)が世界で300社に上った(ビル・マッキベン『人間の終焉』111頁)。

 2008年、日本ではナノテクは一般化し、この時点では「日本ではナノテクが社会にとって脅威であるという認識が一般的でな」く、「ナノテクを謳った製品が既に多数上市されており、ナノテクに言及することで売り上げが伸びると企業側が考えていることが見て取れる」のであった。加えて、「『ナノ倫理』には理論として新しいことは何もないと思われがちであるために、研究・開発に携わる研究機関以外では倫理研究者の注目をほとんど集めていない」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)状態であった。

 ドレクスラーは、「分子システム・エンジニアリングによるナノテクノロジーへの展開は、本書が推定している以上の早さで進」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』323頁)み、「ナノテクノロジーの構想は、本書だけではなくその他の出版物によって、非常に広範囲に広まった」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』1992年、326頁)とする。

 そして、彼は、「ナノテクノロジーに基づいた製品は、日常生活に浸透し」、「きわだって優れたものが大半を占め」、「いくつかの製品には、家事を簡便化するのと同様な効果があ」り、「皿からカーペットまですべてをセルフ・クリーニングにすることも可能」であり、「ナノマシンにとっては、チリがえさとなる」から、「家の中の空気をいつも新鮮にしておく」事もでき、「ナノテクノロジーによって、それぞれの目に違った像を投影する高解像度スクリーンも可能となり」「別の世界への窓となるような三次元テレビ」も登場するだろうとも言われrた(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』314頁)。ナノテクは、生業の必要が生み出したものではないが、結果的に生活の利便性を増すものだとされた。

 さらに、彼は、「ナノテクノロジーの時代が訪れれば、20世紀の工業が作り出した数多くの問題が解決され」、「ありふれた材料から効率良く生産できるようになれば、石油や鉱物などの資源についての争いもなくな」り、「国際的軋轢も和らぐと期待される」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』331頁)とする。「ナノテクノロジー時代の幕開けを迎え、先進工業国は共通してナノテクノロジーそのものの新しい緊張を生み出さないよう努力を傾けている」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』331頁)ともする。

 こうしたナノテクノロジーによる「産業革命」は、「蒸気機関による産業革命よりも大きな変化を社会にもたらす可能性を秘めている」 (J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』54頁)と期待されだした。コウシタ大いなる期待のもとに、「ミトレ・コーポレーションのナノテクノロジー部門の責任者は、『科学の集まりに出席するベンチャー資本家が急増している』と発言し」、「全米科学基金も、ナノテクノロジーは2015年までに1兆ドルのマーケットになる可能性がある」という予測をだし、IBMは「長期研究予算の半分をナノスケール・プロジェクトにあてている」と言われだした(ビル・マッキベン『人間の終焉』河出書房新社、2005年、115頁)。巻末資料編でみても、2007年頃まではナノテクノロジーは経済立国の基軸のように大いに期待されていた事が確認されよう。

 しかし、そのような活発で広範な進捗にもかかわらず、ナノ誇大宣伝などが問題になり、「ナノテクはいまだ初期的な段階にとどまっているというのが大方の見方であ」り、現在の状況はNNI教書などに見出される当初の構想には程遠」く、「実現そのものの可能性、実現する時期の予測に関する議論も盛ん」な体たらくである(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。


                                4  ナノテク応用業種の包括性

 対象の包括性 そもそも、ナノ物質とは、@「大気環境領域」において従来から「超微小粒子」と呼ばれていたものは直径100nm以下の「ナノ粒子」であり、A「ライフサイエンスの分野ではナノサイズのもの自体は新しいわけではもちろんな」く、「DNA鎖は直径が2nmであり、脂質2重膜の厚さは5-10nmであ」り、B「1957年に全合成に成功した抗生物質ペニシリンの分子のサイズは1nm強であ」った様に、以前からあるとも言えるのである。しかも、「物質は原子や分子でできているので、純粋なバルク物質でない限り、ほとんどの物質はナノ構造を持っているといっても過言ではない」という見方もある。これまでにも存在したものをただ小さくすることで、「単なる量的変化にとどまる」のみならず、「質的な変化がもたらせることもある」ということが重要になる(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 さらに、ナノテクとして括られる研究分野は「きわめて多岐にわた」り、例えば、「ナノテクの医療への応用であるナノメディシンに限ってみても、・・Institute for Molecular Manufacturingのロバート・フレイタス(Robert Freitas)は、95の分野を列挙」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)するほどに、多岐にわたっているのである。

                                      (1) 推進中のもの

  元来、「ナノテクノロジーのもっとも基本は原子を並べるところにあ」(K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年、3頁)り、現在存続しているナノテク基本研究は、特定分野に絞り込んだものになってきているようだ。                              

                                       @ ナノテクと物性学 

 ナノテクと金属・合成樹脂  一般的に、微細な世界では、@「物質が小さくなる」と、「数が増え、表面積が増え」ると、プラチナによる排ガス浄化作用が促進され、A「微量の物質ならではの性質を利用した応用技術として、少量の物質を高速に分析できる『マイクロ化学チップ』があ」り、B「量子サイズ効果によるもので、粒子の大きさが変わると吸収する波長が変わり、蛍光の色を変えることもでき」、「これを使ってバイオ標識など蛍光試薬に使う試みが進んでい」て、微小になればなるほど応用度が広いのである。

 そして、金属では、@「金属やセラミックス」は結晶構造(「分子や原子が規則正しく並んだ構造」)であり、「この結晶構造をコントロールすることで、強くしたり、逆に柔らかくしたりと、優れた多彩な特性を引き出」し、「金属分野では『ナノメタラジー』と呼ばれ、盛んに研究が行われ」、A「材料の強さは、結晶粒径サイズが4分の1になると2倍になるなど、粒径の2分の1乗に反比例して高くなる」が、「粒径10−20ナノメートルを境に、再び強度は下が」り、これは「ステンレス鋼やチタン合金など、硬い金属の加工性を高める手段の一つとして応用され」、B「金属は、自由電子の海に金属の原子核が漂っているような構造をしてい」て、「原子は動きやすく結晶構造もつくられやすい」が、「元素の組み合わせを選ぶと、ガラスのように原子が規則正しく並ぶことができず、乱雑な配置のまま冷えて個体になる『金属ガラス』がつくられ」、C「酸化鉄」、「酸化クロム」、「コバルト」、「鉄と他の金属の酸化物であるフェライト」などのように、金属は、「ナノメートルサイズにまで小さくすると、大きなサイズでは無かった磁性が現れることがあ」り、D「ナノ磁性粒子の生命科学や医療方面の応用としては、がんの早期発見などが考えられ」、かつ「がん細胞は熱に弱いため、・・磁性ナノ粒子をがん組織に集め電磁波をかければ、患部だけをより効率的に加熱し、健康な組織にはダメージを少なくできるのではないかと研究が進められてい」て、ナノサイズで応用度が高いのである。

 さらに、合成樹脂では、「基本単位となる分子(モノマー)を次々とつなげ(ポリマー化)ていった高分子で、私たちの生活のあらゆる部分に入り込み、豊かさや便利さを生み出し」、「この性能を一層向上させるためにナノレベルの分子構造や分子配列、形の制御の追求が進んでい」て、「帝人ファイバーが開発、2008年から生産を始めた高強度ポリエステル・ナノファイバーの『ナノフロント』は、繊維の太さが約700ナノメートルと、これまでの最も細いものの約3分の1にまでな」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』36−89頁)っている。

 ナノテクとカーボンナノチューブ また、「首都大学東京 都市教養学部理工学系 物理学コースナノ物性I研究室」(HP)の場合、2011年時点以降カーボンナノチューブの研究に特化している。つまり、同室は、「主な研究対象はカーボンナノチューブ[「物性評価を産業技術総合研究所 片浦グループと協力し」、「カーボンナノチューブのいまだ明らかにされていない物性解明にチャレンジし」たり、「第二世代カーボンナノチューブの内部の「すきま」に色々な物質を導入して、これまでにない性質を「創り出す」ことにも挑戦して」いる] 、グラフェンや窒化ホウ素などの単原子膜、ゼオライト、フラーレンなど」に限定しており、「核磁気共鳴(NMR)法、 X線回折法、比熱・ゼーベック係数・磁化測定、広帯域インピーダンス測定法、ラマン散乱分光法など幅広い実験手法と、 分子動力学法 (MD法)と呼ばれる計算機実験を組み合わせることによって、ナノメートルサイズの特徴的な構造を持ち、バルクとは異なる性質が現れるナノ物質系の物性解明に取り組んで」いる。

 これによって、同研究室は、@半導体型単層カーボンナノチューブが巨大なゼーベック係数(熱を電気に変換する熱電変換材料への応用には必要不可欠な性能)を示した事、A「単層カーボンナノチューブを使ったフレキシブルな熱電変換素子を作って実際に体温から発電することに成功」し「 体温と室温の差によって2.6 mVの電圧を発生させることができ」、「自動車や地下鉄の機器の配管などに張り付けることで廃熱を有効に電気に変換できる可能性を持」つこと、B「カーボンナノチューブの内部空洞を利用することにより、バルク物質にない新規分子配列を実現することができ」、「ハルデン状態を提供しうる新たなプラットフォームになり得ること」、C「グラフェン」などの「二次元物質における異種材料の接合から実現できる、「接合部に生じる一次元界面」や「量子細線」をエレクトロニクスやオプティクスに活用することを目指し」、「 最終的には、極限的な微細伝導チャネルかつ単原子厚のサイズを持つ光・電子素子のプロトタイプを実証し、新しい物理現象の探索や将来のデバイス応用の可能性を探りたい」と、実に意欲的な研究に従事しているが、これが人類文明にいかに関わるかは全く不明である。

                                      A ナノテクと生物学

 生物活動との連関 ナノサイズの分子マシンによって「あらゆる種類の分子を組立てて、どの様な分子構造のものでも創出することができる」と言われ、それは「いわゆる生物がもつ自己組織化、自己修復、自己増殖などの機能を活用するもの」でもある。ここに「物理学を超えて生物学と結びつきはじめ」ることにもなるとされた(東邦大学理学部HP「先端技術の表と裏」)。

 そして、ナノテクノロジーは、大きな「生物学的な変化を、人間の生体に引き起こす可能性」(J.ストーズ・ホール、斎藤隆英訳『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』 紀伊国屋書店、2007年、33頁)を帯びることにもなる。

 ナノテクとDNAチップ技術 1940年代にダイオードが発明され、それをコンデンサなどと一緒に使用することで様々な機能を有する基板が作られ、「その回路を微細加工技術で一つのチップ(基板)上に実現した集積回路が開発され、さらに、その配線幅をナノメートルサイズに微小化していくことで、その集積度を向上させた半導体が出現」した。

 これによって、「現在のコンピュータを使用した安価な装置が次々と登場し」、「チップテクノロジーはチップ(半導体基板)の微細加工技術などを生命科学の分野に応用し、小型化と高集積化により生物試料の解析が実施できる技術(“バイオチップ”)」となる。この技術には、「生体成分の解析が迅速(秒単位)に実施できる為に短時間に結果が得られること、一連の操作が自動化されて網羅的な解析が可能なこと、などの利点があり」、「チップ上の物質と相互作用する成分を探索したり、相互作用する成分のシグナルパターンから生体情報を得ることができ」、「この様なバイオチップテクノロジーの本格的な展開は、DNAチップの開発に始まり、その後、プロテインチップ、糖鎖チップおよび細胞チップなどへと発展」するとする。(東邦大学理学部生物学科HP「先端技術の表と裏」)。

 ナノテクとプロテインチップ技術 そのプロテインチップとは、「生物試料中のタンパク質の網羅的解析等に用いられる手法で、通常、コーティングされたスライドガラス、マイクロプレートまたは膜上にあらかじめ数多くの検出用のスポットが配置されてい」て、「分析対象となるタンパク成分に対する抗体、基質成分と相互作用する酵素、タンパク質と相互作用するリガンド等が用いられ」る。

 「ポストゲノム時代において、ゲノム解析のそれに比べてより複雑なタンパク成分の解析を簡便に、しかも個々の成分の性質をも同時に解析できる系の確立」は重要課題であり、ここに「タンパク質の研究」(プロテオーム解析)の「迅速かつ効率化」が求められ、さらに、「細胞チップについては、細胞を集団としてではなく、1個1個の細胞を解析、処理する技術が探索されており、将来は細胞の分離、検出、解析、回収などのプロセスが1つのチップを介して行われるものと推測され」、プロテインチップ技術の「生物学的研究への応用」(東邦大学理学部生物学科HP「先端技術の表と裏」)がますます期待されている。

 ナノテクと生物観測技術 針山孝彦氏は、「最先端計測技術が拓くバイオミメティクス(2)ー“ナノ・スーツ法R”による生物微細構造のライブイメージング」で、ナノテクで生物観測法を生み出した事を報告する予定である。つまり、「細胞外物質を基にナノ薄膜を重合させ、生体内部の気体や液体を高真空環境下で保持させ」、「多様な生体適合性物質を選択し、これを生体表面に塗布し重合させることで生きたままでの高分解能電子顕微鏡観察を可能」となり、「この“NanoSuitR”法は、生きたまま・濡れたままのさまざまな試料を高分解能下で観察可能とすることができ、バイオミメティクスや生命科学の研究に有用であ」り、これによって「生物が分泌する細胞外物質に電子線やプラズマを照射することで、高真空下でも生きた状態で高分解能電子顕微鏡を用いて観察を可能にした」という(2017年2月国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech 2017」)。

 このように、現在でも、ナノテクによる生物学研究の一層の発展が期待されているのである。

                                     B ナノテクと医学 

 病気のナノテク的把握 ドレクスラーは、人間が病気になるのは、ナノテクノロジー的には、「原子を配列する技術が未熟であり、秩序性なく原子を操っているから」、「体の組織をつくる分子は秩序を失って変化してしまい、健康を脅かし、やがて命自体も失われる」(K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年、4頁)からだとみる。

 彼は、「人間の身体は分子でつくられているのだから」、病気、老化、怪我は「原子の配列パターンの乱れにいきつく」から、「健康促進に分子テクノロジーを応用できる」。つまり、「このような配列を乱した原子を正しい位置に戻すことができるので、ナノテクノロジーが、医療の根本的なブレークスル―となると期待される」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』147頁)とする。

 ナノテク医療 ドレクスラーは、「医師の目的は、病気の組織を健康にすることである」が、「薬と手術による治療では、組織による自己修復を活性化するにすぎない」のに、「分子マシンを使えば、もっと直接的に組織を修復でき」、まさしく医学の新時代到来である」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』157頁)とする。ホールも、ナノテクノロジーによって、「大量のナノマシンを通す管となる」「髪の毛ほどの糸を挿入しておこなう手術が実現」し、「問題の部位のまわりに網状に広がって、病気の組織矢傷んだ組織を復元」するはずだと主張する(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』322頁)。

 彼らによればナノテク手術とはこういうものになる。つまり、「低温で使用できるようにデザインされた外科用デバイスは、液体窒素を介して、患者の脳につながり、そこで大動脈と大静脈につなが」り、「ナノマシンの一団はこの開口部になだれ込み、まず大きな血管のクリーンアップを始め、次いで毛細血管に移」り、こうして「患者の体の正常な組織に通路をつくることになる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』193頁)。さらに、「ナノテクツールを使う外科医は、鉄の板であるナイフの刃で体を切るようなことはしない」で、「現代の外科用メスより小さく、空母より複雑なマシン」は、「細胞を切り裂くのではなく、くり抜」き、「処置する組織の詳しい分析結果を、今日のインターネット全体よりも大きなデータベースに送」り、「手術が終わると、別のマシンが、保存された情報と埋め込まれた印を使って、断ちきったところを元通りにし、健康な組織として問題のない状態にする」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』322頁)。

 現在は、マイクロロボットが治療行為に関わっている。例えば、2016年7月、「全南(チョンナム)大学機械工学部のパク・ソクホ教授チームは・・未来創造科学部の支援を受け大腸がん・乳がん・胃がん・肝臓がん・すい臓がんを治療できる直径20マイクロメートルの超小型ロボット(実体は免疫細胞のひとつであるマクロファージ[大食細胞])を世界で初めて開発し」、「このロボットは腫瘍の核心である中心部分まで浸透」し、「マイクロロボットを投じて24時間で大腸がん細胞が45%、乳がん細胞が40%程度減ったのを発見した」とした(「韓国、1日でがん細胞の40%を食べる「超小型ロボット」を世界で初めて開発」[中央日報日本語版 2016年7月27日配信])。

 ナノメディシン 現時点で「ナノメディシン」として研究されているものは、マイクロロボット以外では、イメージング、計測、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)、ナノ材料、ナノバイオロジー、再生医療などが主なものである。

 例えば「ナノバイオ医療革命」で挙げられているのは、DDSのためのミセル(直径50nm)、マイクロ化学チップ(「マイクロチャネル」と呼ばれるナノからマイクロサイズの溝が掘られている)、MPCポリマー(細胞膜と同じリン脂質構造を持ち、人工関節の長寿命化などに有効)、骨の切削面の「マイクロ、ナノレベルでの微細加工技術」、MEMS(Micro Electro MechanicalSystems)、マイクロ・モーター、DNAピンセット、バイオ・マニピュレーション(「光ピンセット」によりDNAを切断、DNAをつまんで再配置、DNAを糸巻きに巻きつける、電気パルスにより細胞の中に物質を導入、細胞を融合させるなど)、DDSにおける分子シャペロン(通常はタンパク質を修復する生体分子)の利用、インクジェットプリンターによる人工骨の創製等である(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

                               C ナノテクと遺伝子工学 

 DNAの加工
 遺伝子工学者は、「現代の遺伝子合成装置を使って、もっと規則正しい高分子化合物(特異的DNA分子)をつくり出」し、「DNAを構成する分子はヌクレチド」で、「遺伝子工学者はこれらのヌクレオチドを一緒に容器に投げ込むようなことをしない」で、「ヌクレチオドを特定の順序で結合するよう機械に命令し、特定のメッセージをつづる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』8頁)ようにしたいとする。

 そして、遺伝子工学者は、「『制限酵素』と呼ばれるタンパク質の分子マシーンは、DNA鎖の特定の部位に接触すると、『ここを切断しろ』という命令を解読し、いくつかの原子を再配列させ鎖を切断」し、「別の酵素は『ここを接合しろ』という命令を読むことができ、少数原子の再配列により鎖を接合」し、こうして「このような酵素を使うので、『書き込み』、『切断と張り付け』によって」、「どんなDNAメッセージであろうとも書き込んだり編集したりできるようになった」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』9頁)とする。つまり、「細胞内では、分子マシンはまずGNAの情報をRNAのテープに移」し、「続いて、従来の数値制御された機械がテープに記録された指示に従って金属を加工するように、RNA鎖に記録された指示に従ってリボソームはタンパク質を合成」し、「このタンパク質こそ有用な分子である」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』10頁)とする。

 「タンパク質もDNAのようにビーズが数珠つなぎになった鎖」だが、「DNAと違って、タンパク質は機能を発現する小さな形態をつく」り、「あるタンパク質は酵素(「分子をつくり上げたり、壊したりする分子マシーン」)として働」き、遺伝子工学者は、「経済的でしかも効率的な生体内の分子マシンに指令を発することによって、これらのタンパク質を合成できるようになった」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』10頁)とする。

 ドレクスラーは、「アセンブラーの出現には何年もかかるかもしれない」が、「すでに『遺伝子工学』『バイオテクノロジー』の名のもとに最初のステップは踏み出されている」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』34頁)とするが、実際には倫理問題も絡んでこれは余り進捗していない。いまだに次のようにゲノム分析にとどまっているようだ。 

 ゲノム解析 2016年、三井敬之氏(専門は生物物理、表面物理、ナノテクノロジー)は、STM(Scanning Tunneling Microscope、走査型トンネル顕微鏡)を使って「原子や分子を操作してナノメートル(nm:1メートルの10億分の1)の大きさの構造の物質をつくり、それを組み立てて新しい素材や新しい機能を持った装置をつくり上げ」、原子、分子レベルで「生物のふるまい」の解析を通じて、生物の成り立ちを追究する。

、生物物理学の最先端の世界では、「遺伝情報を担うDNAが二重らせん構造になっていること、4つの塩基という分子の組み合わせで遺伝子の性格が決められること、さらにはそのDNAがつくりだす生物の遺伝情報の総体(ゲノム)も明らかになってきてい」て、「塩基配列をバーコードをスキャンするように読み取ることのできるSTMを利用した私たちの方法を使えば、ゲノムの解析などはもっと安く短時間ででき」、「地球上の多くの生物種のゲノムの解析が進み、生命の機能を物理的に観測できれば、種の保存や薬の開発などにも大きな貢献ができる」とする(公益財団法人テルモ生命科学芸術財団のHP)。まだまだ期待の表明にとどまっているということだ。

                                     (2) 構想中のもの

                                     @ ナノテク研究方向  

 楽観論 ドレクスラーは、「森林伐採からダイオキシンまで、進化によって適応するよりも速く、地球を損傷してきたから」、「地球の生物学的システムが、産業革命に適応しなかったのは当然である」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』176頁)とするが、「将来のテクノロジーでは、地球にやさしく、我々に益するようにできるであろううし、そのうえ、惑星修復マシンだって組み立てることも可能になるであろう」とか、「修復アセンブラーを使えば、我々の燃料消費文明が大気に排出した数十億トンもの二酸化炭素を除去することもできる」とか、具体的根拠もなく修復マシン、修復アセンブラーなどへの楽観的期待論を標榜する(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』176頁)。

 アセンブラー その後、一時期、「テクノロジーは大きく進歩」し、「生化学者は、タンパク質のデザインを手中に」し、「エンジニアは、タンパク質マシンを使い、アセンブラーをつく」り、「アセンブラーは、ナノテクノロジーの主役」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』193頁)になる。しかし、「アセンブラー開発には年月(30−100年)がかか」り、「細胞について研究することやバイオスタシス(生命恒常性、永遠の生命を目指したもので、蘇生させる必要がある)状態の患者の組織修復を研究することは、もっと時間がかかる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』204頁)。

 宇宙開発 ドレクスラーは、「レプリケータと宇宙資源により、今日より1000倍以上大きな富と生活空間を持てる時がくるかもしれ」ず、「蘇生そのものは、今日の基準であっても、ほんの少しのエネルギーを必要とするだけだろう」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』205頁)とする。彼は、「今世紀(20世紀)には、航空機、宇宙船、原子力発電、そしてコンピュータが開発され」たのであり、「次の世紀(21世紀)には、アセンブラー、レプリケータ、自動エンジニアリング、経済的なスペースクラフト、細胞修復マシンなどが開発されるに違いない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』207頁)とする。

 ナノテク社会の未来 J.ストーズ・ホールは、ナノテクノロジーのもたらす未来について誰も「わからない」のは、「人類の祖先がアフリカの平原で石を削っていて、それが今の人類に綱がとは思わなかったのと同じだ」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』378頁)とするが、現代の重大岐路については、そういうわけにはいかない。人類文明終焉と「非人類」文明開始という分水嶺に直面しているからだ。だから、J.ストーズ・ホールは、この重大岐路もわからずに、「われわれは、元来の居場所を荒らし、地球に溢れ返り、なくなりつつある資源をめぐって戦う道しか望めなくなるのか?」、それとも、「宇宙への戸口に立ち、真の知性の時代の幕開けを目にし、人類による冒険の始まりに立ち会うか?」の「選択」は、あなた次第とする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』378−9頁)。

 日本でナノテク研究の一中心となっている産業技術総合研究所は、「2015「年までに、世界全体で 200万人(米国で80−90万人、日本で50−60万人)のナノテク研究者・技術者が必要と予測」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)している。この時までは、ナノテク関連の研究に携わる者の数は今後さらに増加する可能性があると見られていたのである。


                           @ ナノテクによる人口増加・食料危機対応 

 食糧危機 エドワード・O・ウィルソン(Edward Osborne Wilson、社会生物学者)は、「灌漑と合成肥料をつかう」大規模農業によって、「ホモサピエンスがすでに20世紀末には生物圏の持続可能な容量を超え」たとする。J.ストーズ・ホールは、「我々が自分たちをいかに危うい立場を追いやっているかは、1930年以降、ニレ立ち枯れ病がアメリカのニレの木に与えたような打撃を、何か新しい病気が小麦や米に与えた場合を考えてみればわかる」とする。彼は、「人類が危うい」のは、人類の「生命の層」が「無きに等しいほど薄い」のに、「生物圏に対する負荷を増やしつづけている」からであるとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』360頁)。これに対応できるのはテクノロジーだとする。

 つまり、ホールは、「農業だけで、存続可能な人口密度が増したように、ナノテクノロジーがあれば、ない場合より、養える人口はずっと多くなる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』360頁)とする。彼は、2002年、「アメリカで人口密度が最も高い市町村」は、ニューヨーク市(1平方マイル8159人)ではなく、ジャージーシテイ(1平方マイル当り1万3044人)であり、地球上の陸地がこのジャージーシテイと同じ人口密度になると、「世界人口は7500億、つまり現在の人口の125倍にな」り、「これでは牧草地、農場、公園、森林など何も確保できないから、食料はすべて海(または合成機)で生産しなければならないであろう」とする。しかし、ナノテクノロジーを使えば、「陸地の1%だけに、高さ1マイル(約1600m)の高層ビルを建てれば、今の5倍の人口を収容しながら、残りの99%を自然のまま残せ」、「農業でなくナノテクによるリサイクルが、生物圏の扶養能力を補ってくれるだろう」とする。だが、「人口が10回倍増したあたりでにっちもさっちもいかなくなる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』360−1頁)ともする。これを解決するのが宇宙開拓だというのである。問題の立て方、その問題の解決方法、いずれも「荒唐無稽」、「大風呂敷」の観を免れない。ひとまず、彼の宇宙開発論を瞥見してみよう。

 宇宙開発 J.ストーズ・ホールは、後述のドレクスラーの宇宙開発論にも影響されてか、、「ひとつきりの地球にだれもが暮らし、人間の活動がなんでもそこでされるとしたら、生物圏の多くを自然のまま保全することは、今後ますます難しくなる」が、「宇宙へ飛び出せば、地球はやがて、人間に居住可能なエリア全体の1%の1%にも満たなくな」り、「地球上の大部分が手つかずのまま残り、現生種の多くが絶滅から救われる可能性が高そうだ」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』362頁)と見通す。彼は、「恐竜を絶滅させた小惑星がいま一度訪れたら、人類のささやかな舞台は幕を閉じ」たり、「ひどい疫病ひとつで人類の多くが消え去る可能性はつねに存在」するから、「確かに、長い目で見れば、人類は地球から出て暮らしたほうがいい」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』362頁)ともする。ここには地球利害の実の視点があるだけで、宇宙の側の視点が欠落していることを指摘するにとどめておこう。

                            A ナノテクによるエネルギー危機対応 

 エネルギー危機には、地球のエネルギーが枯渇するという危機と、エネルギー消費がエントロピー増加させるという危機の二つがある。

 化石燃料枯渇対策 ホールは、前者の対策について、現在「富の大部分を占めるのはエネルギー」であり、化石燃料からの脱却で気候変動の影響に対応でき、特に太陽エネルギーは重要となるとする。つまり、「太陽エネルギーを使って宇宙で暮らした場合、人口が現在の1000倍になり、各人が現在の1000倍のエネルギーを使うとしても、消費エネルギーは太陽が生み出す量の100万分の1にも満たない」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』366頁)とするが、その数千億の人類が出すゴミは宇宙を大きく汚すであろう。

 エントロピー増加批判 後者のエントロピー増加に関して、 これは「熱消費と無秩序性についての科学的尺度」であり、エネルギーを消費すると、こうしたエントロピーは増大するから、「世界のエントロピーは不可逆的に増大し続ける」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』221頁)ことになる。

 リチャード・バーネットは、『凶年ー飢餓時代の政治』(Richard Barnett,"The Lean Years:Politics in the Age of Scarcity,"New York:Simon & Schuster,1980)で、「排熱と乱雑さが人間の活動の極限まで蓄積されてしまった」と指摘する。バーネットは、「熱蓄積は永久的エネルギーのコストであり、人間の活動を制限する」とするのである(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』221頁)。

 一方、ジェレミー・リフキンは、『エントロピー 新しい世界観』(Jeremy Rifkin,"Entropy;A New World View,"New York:Viking Press,1980)で、「究極的には、有効なエネルギーは散逸して、生命の基礎を破壊する」とする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』221頁)。彼は、「地球の利用可能エネルギーが、利用不可能なエネルギーに変換されたすべての集約が環境汚染だ」とするのである(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』222頁)。

 ドレクスラーのエントロピー論反駁 ドレクスラーは、以上の「リフキンもバーネットも・・環境を問題にするときに、地球を中心に論じ」、「彼らは、太陽光と夜空の冷黒を無視」したト批判する。彼は、地球のみならず、「この法則は全体としての環境、つまり、宇宙全体に適用されるべきである」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』222頁)とするのである。

 リフキンとニコラス・ジョージェスク=レーゲン (Nicholas Georgescu-Roegen)は、共著『エントロピーの法則と経済のプロセス』(”The Entropy Law and the Economic Process,”Cambridge,Mass.:Harvard University Press,1971)で、「廃棄物をなくす努力をすべきこと」を説き、「第三世界の人々は、アメリカにあるような物質的豊かさはけっして訪れることはないだろう」と強調した。しかし、ドレクスラーは、「最大のエネルギー消費体は・・太陽である」から、リフキンは、「太陽を取り除け」と主張するべきだったと批判する。「こうした愚かしい結論のため、リフキンは失脚」したのだとまでする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』222−3頁)。

 ドレクスラーは、スチュアート・カウフマン(彼は無秩序を生みだす熱力学第二法則「エントロピー増大の法則」に対抗して、地球上の生物の複雑多様な進化は「自然淘汰」・「突然変異」のみならず、「自己組織化」が決定的な役割を担っているとする[米沢富美子訳『自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法則ちくま学芸文庫、2008年])の提唱した「偽物の第四法則」と違い、「熱力学の第二法則」こそ「純粋なエントロピーの法則」であり、「人間が活動すれば必ず熱を発生」し、「地球の放熱が限られているので、地球上での工業の絶対量に限界がある」とする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』223頁)。だから、彼は宇宙を開拓せよと主張することになるのである。

 彼は、「すでに葬られた考えをあたかも生きているかのように報じ」、「間違った希望を与え、誤った恐怖におびえさせ、行動を正しく導かず、これらの考えはもっと長期の世界規模の問題についての人間の行動の妨げになっている」から、リフキン『エントロピー』を「否定」するとする。そして、「現代が技術社会であるにもかかわず」、リフキン賛同者は「技術系ではな」いとも批判する(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』223頁)。

 宇宙開発 ドレクスラーは、宇宙開発に「AIとナノテクノロジーの進歩が重要な役割を果たすに違いない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』125頁)とし、「宇宙開発を進める新たな人々の狙いは、宇宙をフロンティアとすることだ」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』126頁)と見る。

 彼は、「宇宙には工業的展開の可能性が限りなく広がっている」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』128頁)から、「現在のテクノロジーを利用すれば、我々は宇宙のフロンティアを開拓でき」、「繁栄が手元にあ」り、「成長の限界に別の道を拓き、将来の展望の陰りを和らげる道としたい」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』132頁)とする。

 ドレクスラーは、「太陽の持つ資源は最大であり、地球の資源は比較にならないほどわずかだ」が、「実際に消費するエネルギーは、地球に届く太陽エネルギーの一万分の一程度である」から、「太陽エネルギーや資源を集める無公害なナノマシンを開発できれば、地球に生活する人々をもっと豊かにできるだろう」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』223ー4頁)とする。彼の宇宙資源活用欲望は無限であり、「銀河系の持つ資源に比べると、太陽系の資源は些細なものとなるが、「銀河系も点であ」り、「目にすることのできる宇宙には1000億もの銀河系があり、それぞれに10億個の太陽があ」る。だから、彼は、「ある意味で、宇宙を広げることは、成長の限界を切り拓くことになる」のである。「成長の制限は続くが、今人間が使っているすべてのパワーの10億倍もの陸地領域を削ることも可能」であり、「太陽系の資源から、地球の陸地の100万倍もの陸地領域を削ることも可能」であり、故に「アセンブラーや自動エンジニアリング、そして宇宙資源を使えば、我々は、迅速に量と質において夢を越えた富を獲得することができるだろう」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』318頁)とまでするのである。

 マルサス『人口論』は、「資源(食糧供給)によって、一年当たりの人口増加が規定される」から「無制限な人口増加は必ずや食糧生産を越えてしまう」として、「現代の成長の限界論争のルーツ」となった。しかし、実際には、「アフリカ以外では、食糧生産が人口を上回ってさえい」て、マルサス人口論は間違っていたかであるが、マルサスは「根本的には間違っていない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』225−6頁)とする。ドレクスラーは、「地球の成長はいつかかならず限界に遭遇せざるをえない」が、「農業の機械化、穀物の遺伝学、そして農薬のブレークスル―を予測でき」ずに、「マルサスはこの限界に、我々がいつ遭遇するかを予測できなかった」だけだとする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』226頁)。

 このように、ドレクスラーは宇宙資源の活用で限界に対処しようとするが、「我々以外の文明・人が、これまでに宇宙資源を手にしてい」れば、「それは成長の限界を意味する」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』226頁)とする。宇宙人は、「自然法則によって想定された制限に、近づくテクノロジーを進化させ」、「光に近いスピードで移動でき」るから、「我々の住む太陽系は、彼らの領土となってしまっている」かもしれないとまでする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』227頁)。

 ローマクラブ『成長の限界』、ミハイロ・D・メサロビッチ『変革期の人類』は、宇宙資源活用などを考慮することなく、未来の成長の限界には「何のブレークスル―も起こらないとする」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』229頁)ものだと批判する。ドレクスラーは、こうした「テクノロジー進歩の可能性を無視したり、あるいは否定したりする傾向」は、「共通の問題として対処しなければならない」とする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』229頁)。「広い視野に立てば、宇宙こそが真の全世界であり、地球は空間と資源の大海に浮かぶ微小な泡にすぎない」から、「人口の過密と資源の枯渇に対する解決策は、言うまでもなく宇宙への移住」となる。確かに、宇宙進出には「現実的な困難が多い」から、「宇宙への進出が荒唐無稽に思える」。しかし、「ナノテクノロジーが成熟すると、従来多大な労力を要した仕事を単純作業に投じる機能は、現在ソフトウェアの世界で実現されているように、現実の世界にも登場する」ようになり、新たな高度ナノテクでは「安価で容易で安全」になるとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』370−371頁)。しかし、これだけでは、宇宙進出が「荒唐無稽」ではないことを説得することにはならない。


                             B  ナノテクとマシーンーリボソーム 

 周知の通り、ナノのスケールに到達する方策としてトップダウン型のアプローチとボトムアップ型のアプローチが試みられてきた。

 トップダウン型のアプローチ 前者は「半導体の微細加工に見られるように、大きいものからナノメートルサイズまで微小化するという流れである」。このトップダウン型アプローチは、「半導体分野を主として、微細加工、リソグラフィー、エネルギー-ビームの利用により発展し、1970年頃には100ナノメートル以下を扱うことができるようになった」ものであり、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)では、針の先端の原子と表面の原子とが入れ替わるという現象を利用することができる(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。その他、パソコン、携帯電話など、「半導体素子のトランジスター」なども「大きな物を削りこんで小さく加工する『トップダウン』」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』31頁)で作られる製品である。

 ただし、トップダウン型アプローチの限界も認識されるようになってきている。「自律的で高い機能を持った医療用微小ロボット」というアイデアは、上述のファインマンの講演にあるものだが、「仮に、天然のNK細胞と同程度に効率よくがん細胞を殺すことができる医療用微小ロボットができたとしても、一人のがん患者を治療するのには100万ー1億台もの抗がん微小ロボットが必要になる計算となり、これをトップダウン型のナノテクで製造することは、コスト的に全く成り立たない」というのである。また、フレイタスが1998年の論文においてデザインを示した(実用化には程遠いが)医療用ナノマシンは一台あたり180億個の原子から構成されているなど、複雑な機能を持たせるために積み上げなければならない原子の数は膨大となり(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)、実現困難である。

 ボトムアップ型のアプローチ これに対して、ボトムアップ型は、「原子・分子の操作技術の発展により、原子・分子を積み上げて(ナノスケールの)構造体を形成させる」ものである。つまり、これは、「薬や洗剤、合成樹皮、石油製品などを作り出す技術である化学合成」などのように、「分子などの自己組織化などを利用した」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』31頁)ものである。

 上記の医療用ナノマシンをトップダウンで製造することは現実的ではないと考えられることから、「複雑な微小デバイスを作成しようと思えば、ボトムアップ型のアプローチ、すなわち自己組織化プロセスに依存するほか道はないように見える」(産業技術総合研究所)とも言える。現実には原子を組み合わせて機能をもつ機械を組み立てることは困難であることから、「天然の分子機械である生物や生体分子の利用」という方向性が強まったということである(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 この生物や生体分子の利用という方向性は「ナノバイオテクノロジー」と呼ばれることもあり、「ボトムアップ型ナノバイオテクノロジー」が、「従来のトップダウン型ナノテクノロジーの欠点を克服し、大量生産、精密制御、省エネなどへの新たな道が開かれると期待されてい」たが、「生体分子は寿命が短く、世代交代があれば機能を最適な状態で維持することが困難である」ことなど、容易に克服できないと考えられる弱点がある。「ナノバイオテクノロジーの中でも特にボトムアップ型の研究開発は、まだまだ始まったばかりであり」、「そのため、実際にテクノロジーとしてどのような有用性があるかわからないという声も聞かれる」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)状況である。

                                 C ナノテクとロボットーエリック・ドレクスラー 

 ナノサイズ・スペースクラフト ドレクスラーは、 「ナノテクノロジーは小さな物をつくる技術であ」り、「持ち運びできるもっとも小さいスペースクラフトはスペーススーツ」であり、「このスーツは肌と同じようなテクスチャの構造材料でつくられている」ので「こみいった動作をしても、違和感がな」く、「指の部分の厚さは1mmであるが、この中には環境適応できる能動的ナノマシンとナノエレクトロニクスの厚さ1ミクロンの層が1000層も積層されてい」て、「指先の部分には、メカニカル・ナノコンピュータが10億程度組み込み可能だ」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』135−6頁)とする。

 彼は、「高度の技術AIシステムは、このようなスーツを朝デザインし、夕には仕上げてしまうことができる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』137頁)とするが、「分子テクノロジーといっても、全てが実現するわけではな」く、「非常に速い速度でロケットに出入りできるようなスペーススーツは、どんなに素晴らしくとも、なかなか実現しないだろう」ともする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』139頁)。発案者も、ナノサイズ・スペースクラフトは実現可能性は低いというのである。

 ナノサイズ・マシン エリック・ドレクスラーは、ナノテクノロジーの夢として「原子一つ一つを操って、望み通りの動きをするナノサイズのロボットをつくること」をあげた(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』20頁)。彼は、「分子・原子レベルの制御・製造の具体的な手段とそれがもたらす文明社会の未来像を提示」し、ここにナノテクは脚光を浴びることになった(訳者斎藤隆英「あとがき」[J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』382頁])。

 ドレクスラーは、「タンパク質マシンは、タンパク質よりも丈夫なナノマシンをつくるのに役立つはずであ」り、「ナノテクノロジーはタンパク質の信頼性をはるかに越えて進展」し、「積み木のように分子が組み立てられ、つなぎあわされる」とする。こうした分子マシン(ナノマシン)の作り方は、酵素などの「タンパク質マシンを使」い、「回りの小さな分子を捕まえ、そしてそれを一緒にして結合し大きな分子につくり上げ」、「RNA、DNA、タンパク質、脂肪、ホルモン、クロロフィルなど」がその産物となり、「このようなプログラム可能なタンパク質分子マシンは、RNAによってプログラムされたリボソーム、またはパンチテープによってプログラムされた古い世代の自動マシーンとそっくりである」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』18−20頁)とする。

 彼は、「簡単な分子デバイスで、工業用機械に似たシステムを作ることも可能」であり、「30億年前、細胞はリボソームという機械装置を開発し」、このリボソームこそ「プログラムどおりに複雑な分子をつくり出せるたんぱく質とRNAデつくられたナノマシン」なのであり、「細胞内であろうとなかろうと、ナノマシンは自然法則に従ってつくられる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』11−13頁)とする。

 ドレクスラーは、タンパク質工学者たちは、「ナノ単位の腕や手を使わなくとも複雑なナノマシンを組み立てることができる」が、「研究はまだ第一段階であ」り、「タンパク質をつなぎあわせて複雑な機械にする自己組織化の力は、タンパク質分子の折りたたみ構造をつくる力と同じである」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』13−4頁)とする。

 ナノマシン開発競争 米国海軍研究所、IBM、ジェネックス社、世界中の大学の研究者らは、「すでに、分子スイッチ、分子デバイス、そしてタンパク質をベースにしたコンピュータの開発を目的とした理論的研究、および実験をはじめて」、バイオチップ(他の言葉で言えば分子電子システム)研究の競争はすでに始ま」り、日本の「NEC、日立、東芝、松下、富士通、三洋電機やシャープは、バイオコンピュータに向けたバイオチップの研究を始めている」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』16−7頁)。

 第二世代ナノマシンは、「分子構造を組み立てる装置としても使え」、タンパク質のみならず、「それ以上のことをする能力があ」り、「このようなナノマシンをアセンブラー(分子組み立てマシンであり、「自然の法則の許す限り、何でもつくり上げることができる」)と考え」ることもできる。「医療、宇宙、コンピュータ、製造技術のこれからの進歩は、すべて原子を配列する我々の手腕にかかっている」から、「アセンブラーを使えば、我々の世界を再構築することも可能だし、破壊することもできる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』23−4頁)とする。

 この「未来志向の人たちが目を輝かせるアセンブラー(組み立てマシン)」こそナノテク研究の中心であり、「プログラム可能なアセンブラーを使えば、何十億という原子を適切なタイミングで適切な位置に動かし、化学の法則にしたがって分子構造にまとまらせることができ」、「不活性な小さいものを、生きているも同然の小さな自己複製マシン・・に変える」と期待されていたのである(ビル・マッキベン『人間の終焉』111−2頁)。さらに、この自己複製マシーンで「コンピュータが情報を生産するのと同じように、ほとんどコストなしで物質を生産し」、「人間の物的な必要性を解決する」のである。「ジャガイモや草は、土と水を分解し、太陽エネルギーを使ってそれを再配列」し、「牛は草をバーガーに変えるいとなみに協力」するように、「ナノククノロジーで組み立てられる物質の基本的なコストは、原材料のコストのみ」とされていたのである(ビル・マッキベン『人間の終焉』112−3頁)。

 こうして、「自己複製能をもつ分子が自己をより小さい形で複製することでナノスケールに到達する、というアイデア」は、既にファインマンが示していたが、「このような自己複製能をもつ分子が幾何級数的に際限なく増殖して地球を埋め尽くす「グレイ・グー」(Gray Goo)に関する議論がエリック・ドレクスラー(Eric Drexler)とリチャード・スモーリー(Richard Smalley、フラーレンの発見により1996年度ノーベル化学賞を受賞した)の間などで・・盛んに行われ」た(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)が、あくまで議論やSF小説のレベルにとどまっている。

                                  D ナノテクとロボット普及ーJ.ストーズ・ホール 

 未来ロボット ホールは、「現代の本物のロボットは、一般に鋼鉄だけでなく、アルミニウムやプラステイック、あるいは複合材料でできている」が、「未来のロボットは、風船形の宝石や、立ち込めた霧のようなものになるだろう」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』245頁)とする。

 彼は、「現在の多くのロボットは、頭脳では昆虫にも劣る」が、「コンピュータの能力が向上するにしたがい、ロボットの知能も向上し、制御されていない環境でも動かせるようになり、ついには人間にできることは何でもできるようにな」り、「価格が下れば、製造業やサービス業に、さらには家庭の雑用などにも用途が広がる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』246頁)とする。

 近年のロボット普及 そして、近年、「コンピュータや信号取得回路、ビデオカメラ、マイク、小型のジャイロスコープや加速度計、圧力センサーなどの価格が急落している」ので、「ロボットは急速に普及しつつある」。しかし、「問題はコントローラのプログラム」であり、「コントローラがセンサーを読み取り、アクチュエータ(作動装置)を作動させ、実用的かつ組織的な動きを実現するうようにプログラミングしなければならない」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』247頁)とする。

 ナノテク・ロボット しかも、ホールはは、「ナノテクノロジーを利用すれば、人間と同じほど複雑で敏感な感覚神経系を、ロボットに与えられ」、現在の「100個にも満たないセンサーがナノテクで数百万個ものセンサーが得られ」、また、「ナノテクは「センサーの検知データをまとめて分析するのに十分な処理能力を提供してくれるだろう」とする。「今日の不器用なロボットは10−20個程度のモーターで動いているが、ナノテクロボットは数百個のモーターを搭載して、人間のように柔軟で優美な動きができるようにな」り、「数千個も搭載すれば、タコ並みの柔軟性と変形性が備わる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』247頁)と展望する。

 ビル・マッキンは、やがて、ナノテクによって、医療用ナノロボットが造られて、「血流のなかを動き回って、体内の病原体を攻撃したり、新しい細胞や臓器までもつくりだ」すかもしれないとし、「農業はなくなり、大気汚染や水質汚染も、化石燃料の使用もなくなるかもしれない」し、商品の分子構造を把握し「『新しい消費者製品が理論的に限度なく供給される』ということも考えられる」とする(ビル・マッキベン『人間の終焉』河出書房新社、2005年、113頁)。実際、ナノ医療理論家は、「『その人のDNAについての完璧な知識をもち、外来の侵入者をすべて始末できる』医療ロボットが体内をパトロールする日を待ち望んでい」(ビル・マッキベン『人間の終焉』206頁)て、「酸素と栄養部と水を積んだ微小なロボット・タンカーが、循環系の機能をすべて肩代わり」して、心臓という「不細工なポンプ」は不要となるとするのである(ビル・マッキベン『人間の終焉』206頁)。

 こうしたナノテク・ロボットなどが実現すれば、その効用は前述のAIロボットの比ではないであろうが、ナノテク・ロボット実現の具体的処方箋はない。

                             E ナノテクとフォッグ・ロボットーJ.ストーズ・ホール 

 ホールは、ナノテクノロジによって、高性能レーザープリンター(1頁当りのドットは1億3000万個)の解像度である「1インチあたり1200ドット」に相当するロボットを作ると、「そうしたロボットは、通常の物質のさまざまな性質をシミュレートするようにあれこれ性質を変えられ、制御プログラムを違うものにするだけで、押す力に逆らうことも、押された方向に動くこともできる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』250−1頁)とする。

 この高解像度ロボットについて、さらに掘り下げてみよう。「このようなロボットを箱いっぱいに詰めれば、テレビの画面とそっくりのものができ」、「三次元のドットのそれぞれに、ただの色ではなく、物理的な物体でもあるような性質をもたせ」、「テレビの画像と同じように、それぞれのロボットに実行すべきプログラムを放送信号で指示すると、形ある物体が現れ、相互作用したり消滅したりする」が、「テレビの画像と異なり、このバーチャルの物体は、現実の物体を持ち上げて運べ、重さもあり、硬くも柔らかくもなり、弾性ばかりか流動性さえもつことができる」。「箱だけでなく、家全体にこのロボットを詰め込めば、家具や家電製品、使用人ロボット、あるいは衣服さえ、命令ひとつで呼び出したり消したるすることが可能」であり、ホールは、「このようなロボットが集まってできるものをユーティリティ・フォグ(万能霧)」と名づけている。これは、「空中に霧のように満ち、われわれはその中を歩きまわれる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』251頁)とまでする。

 そして、「人間とフォグのインターフェイス」の一つは「泡」であり、「その泡の内面を形作る個々のロボット(フォグレット)は、位相制御された発光体を備え、周囲に見たいもののホログラムをリアルタイムで投影でき」、そのフォグは「表面の色だけでなくはるかに多くの情報を集めているため、擬似カラー画像でほかの性質も表現できたり、物体を半透明にして奥が見通せるようにしたり、なんでも好きなことができる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』253頁)とするのである。

                                  F ナノテクと人工知能研究 

 日本のナノテク研究者は、概して各分野のナノテク研究に閉じこもる傾向があるが、外国のナノテク提唱者らは、ナノテク研究を人工知能の領域にまで拡張し、掘り下げる。

 マイクロコンピュータ・ロボット 「マイクロエレクトロニクスの技術によって、1950年代に部屋の大きさほどもあったコンピュータは、現代ではポケットコンピュータに入っている数個のシリコンチップにまで小さくなってしまった」が、「それでも、回路の中のトランジスターには数兆個の原子があり、マイクロコンピュータは肉眼でまだ見える」(K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年、5頁)ものだった。

 しかし、「マイクロエレクトロ二クス回路は、ミリメートルの1000分の1であるマイクロメートルの単位で測れる部品でつくられている」が、「分子の大きさはナノメートルの単位(「マイクロメートルのさらに1000分の1の小ささ」)であ」り、「この新しい技術は『ナノテクノロジー』または『分子テクノロジー』と呼ぶにふさわしい」(K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年、5頁)ものだとする。

 ナノテクとAIシステム マービン・ミンスキーは、「ナノテクノロジーによって、棒と石が金属とセメントおよび電気に置きかわった過去の二大革新よりも顕著な効果がもたらされようとしてい」て、「一方、人工知能が我々の考え方におよぼすインパクトもはかりしれない」(マービン・ミンスキー「まえがき」[K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年、E頁])とする。

 そして、ドレクスラーは、「AIシステムがナノマシンにアクセスできれば、たくさんの実験を非常に速く行えることにもな」り、「装置の設計」が終われば、「複製アセンブラーはたちまちのうちにこれらを組み立てて」ることになるとする(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』120頁)。

 ドレクスラーは、「自動化技術の進歩に支えられて、分子テクノロジーが開発され、成熟期に入」り、「アセンブラー組み込みAIシステムによって、ますます迅速な自動エンジニアリングが可能とな」り、「技術的アイデアの創出は、人間の脳の100万倍も速くな」り、「多くの技術分野は自然法則が示す限界に到達してしまうであろう」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』121頁)とする。「分子テクノロジーとAIを駆使すれば、正常な組織について、分子レベルの情報を完全に集積することも可能だし、さらに細胞に入って、微細構造を探り、その構造を修飾するような細胞修復マシンを組み立てることも可能になる」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』158−9頁)というのである。

 複製マシーンとAIシステム ドレクスラーは、「細胞修復マシンのサイズは、バクテリアやウィルス程度である」が、「細胞修復マシンがコンパクトであれば、その構造は複雑なものにな」り、「複雑な動きをする細胞修復マシンには、ナノコンピュータの指令が必要である」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』159頁)とする。彼は、「複製アセンブラー(「燃料や太陽光を動力源として、アセンブラーはありふれた材料からほとんどすべてのものを作りだす」)と思考マシン(AIシステム)」は「急速に進化」し、「あと数十年もすれば・・我々を凌ぐようにな」り、「マシンと協調し、共存する道を見つけなければ、我々の将来は最大の危機を迎えるだろう」と展望する(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』233−4頁)。

 そして、彼は、国家は、「このような最新技術を使えば」、アセンブラーの駆使や最新AIシステムで人々の労働に依存する必要はなくなり、「人々を思うがままに放棄できるから」、「もはや人々をコントロールする必要がなくな」り、そして、「ナノテクノロジーと最新AIを融合して使うようになれば、知的で効率的なロボットが実現し、このロボットを使って、人間をすべて捨て去っても、国家が繁栄するといった状態になりかねない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』241頁)とまで見通す。こうして、「世界は、アセンブラーやAIブレークスルーの健全な政策を展開するミームは広まり、世の中に定着するに違いな」く、「その時に、健全なアイデアが打ち出されて、広がれば、チャンスは向上」し、「そうなれば、一般の意見と一般の施策は、危機が近づけば、その方向に移り変わることになるだろう」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』319頁)とする。

 人間知能を凌駕するAI登場 ホールは、「モバイルでないコンピュータは、すでにロボットより数が多く、処理能力が同じならロボットより必ず安価にな」り、「人間と同じぐらい賢い据え置き型コンピュータが登場するのは、人間レベルのロボットよりも早いにちがいない」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』261頁)とする。

 彼は、@脳の処理能力は、「ニューロン一個あたり毎秒100万回の演算」できるから、これにニューロンの数100億個掛けたものとされ、Aプログラミングの工夫でこの回数を100分1から1000分1に減らせそうで、「完璧なAIを動かすには、現在の高性能PC」が1000台以上か1万台必要となるかもしれないとする。「ムーアの法則によれば、これは25年以内に1000ドルでデスクトップPCに収められるようになる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』281頁)とする。

 そして、彼は、AIは、@「同じハードウェアでより多くのことができたり、早く作業できたり」、A「より多くのハードウェアを駆使して、これまで以上のことをする」ようになって、プログラム作成者の「助けがなくても自分よりバージョンアップしたものを作成」するようになるとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』282頁)。ヴァ―ナー・ヴィンジ(コンピュータ科学者でSF小説の名手)は、「機械の知能が急激に向上」して、「機械の知能が人間についていけないところまで増す未来のある時点」をさして、『特異点』と名づけた。つまり、「人間の知能がすでに最高に達していて、処理能力を増しても効果が目減り」して、人間が機械知能に追いついて行けなくなる地点である(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』282頁)。

 ほかにも、「AIが人間を超えられることを示唆する事実」として、「偏微分方程式を解」く事、「10億件も登録されたデータベースを維持した」事、「本書の文字数を1000分の1秒程度で数え」る事などがあげられる(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』283頁)。

 しかし、ホールは、「われわれがこれらのマシンを作り、そのマシンにできることの生みの親」であり、「われわれにはつねに、マシンだけでなく自分自身の能力も向上させる」のだから、人間はこうしたAI能力を心配する必要はないとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』283頁)。ナノテクの分野でも、前述の人工知能問題が考慮されているのである。

 ナノテクAIの発展段階 ホールは、まず最初の段階では、記憶・音声認識・画像認識などをするコンピューターの大きさは、「ポケットサイズではなくバックパックサイズ」であり、「全部をさせるソフトウェアがまだない」が、「ナノテクノロジーを使うと、システム全体が一枚のコンタクトレンズに収ま」」り、「コンピュータが賢くなるほど、あなたも賢く行動できるようになる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』338−9頁)とする。

 次の段階では、「コンピュータを・・脳幹に埋め込めば、脳に入る神経信号をすべて盗聴でき」、「カメラの代わりに目を使い、マイクの代わりに耳を使うようになる」のみならず、「視覚系がおこなう前処理の一部を利用するなどして、脳内のやりとりを高レベルで盗聴することさえでき」、「ヒントや答をしかるべき感覚神経へ投入する」。「視覚を拡張」して、「皮膚の一部に格子状の微小センサーを埋め込んで、位相配列アンテナの働きをさせ」、望遠鏡・顕微鏡の機能をもち、赤外線・紫外線を感知する。さらに、「完全に人工的な信号を感覚神経に送り込んで」、「バーチャルの世界に連れてゆき」、「コンピュータでできる処理はすべて、心の目で見ることができるようにな」り、オフィスではなく、空き地でもどこでも、会議を開くことができる。また、ナノテクで「途方もない処理能力を体内のあちこちに詰め込むことができ」、「架空の友」をつくりだし、「知的な作業をさせ」、「彼らが真のAIに近づくほど、あなたはひとりの人間としてではなく、まとまりのいい大きなチームとして、問題に取り組むようになる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』339−340頁)とする。

 「成熟した段階のナノテクノロジー」では、「強度や耐久性の向上のためでなく」、「物理的に必要なことはロボットの一団でなんでも実現できる」ようになり、「けがをしても生き延びて回復するため」に、「ほぼ全身を取り替えて、機能を高められるようになる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』341頁)とする。
 
                                   

                                G ナノテクと人類改造

                                  a 脳の取り替え


 脳の取り替え ホールは、身体改造しても、脳の取り替えは「ずっと複雑で難し」いが、脳科学の進展で、「脳の出入りする神経にだけではなく、脳そのものにも直接信号を送り込め」、「答えは、視野に映ったものを読むのではなく、『思い起こす』ようにな」り、「架空のアシスタントが『あなたの心を読む』ので、何をすべきか、あなたが命じる必要はない」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』342頁)とまでする。

 脳マシンへの取り替え しかし、ホールは、「別の方向へ進めば、脳をマシン(「ホルモン・バランスの作用などの化学的な信号経路をシミュレートした回路とともに、ニューロンの機能を複製したもの」)に取り替えることもでき」、それは、「本物のニューロンでできた脳より小さく、軽く、はるかに長持ち」し、「さらに重要なこと」は、「ヒトの脳と同じ容積に、単純計算で1000倍から100万倍ほどの処理能力を詰め込める」から「はるかに高速で動作する」ことになるとする。ここでは、「架空の友」は、「だれもがあなたのしたいことを事細かに承知しながら、あなたには手が回らないような細かい仕事のできる、高度に専門化したメンバーで構成された複雑な組織に属してい」て、しかも「これがすっぽり頭のなかに入ってしまうのである」から、人口20万人以上でも「だれもが顔なじみの部族社会に住んでいるようなもの」となるとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』342頁)。

 脳へのダウンロード さらに、ナノテクでは、脳にソフトウェアをダウンロードさせ、ネットワーク化することが検討される。つまりば、ホールは、「物理的なヒトの脳は、処理速度が遅く、脆弱で、栄養摂取も必要」とするから、脳を「ソフトウェアの基体に組み込みなお」して、@「自分をロボットにダウンロードすれば、ネットワーク接続を使う必要がないし、ロボットに脳を持ち歩かせるという煩雑で危ないことをしなくてもいい」し、A「自分のバックアップ・コピーを作って複数の場所に保管すれば、リスクはさらに低下し」、B「自分をロボットからロボットへデータとして伝送すれば、長旅も必要なくな」り、C「物理的な身体を使わないときは、バーチャル・リアリテイの世界に接続し、高性能のプロセッサーを使って、現実世界の主観時間より何千倍も速く自分を実行できる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』372頁)などの利点があるとする。

 脳へのハードウェア埋め込み ビル・マッキベンは、次述の「マインド・アップローデイング」(「人間の脳をスキャンしてそのデザインを電気的に再構成」する事)で「記憶や感情」をとらえられるかどうかは分からないと疑問を呈し、「ハードウェアを脳のなかに埋め込んであなたを電子機器につなぐことはできる」とする。スティーブ・エドワーズ(科学ジャーナリスト)は、「演算コプロセッサ、ハードディスクドライブ、ミニ・ビデオカメラ、赤外線視力、携帯電話などの埋め込みで、恐ろしいほど活気づくだろう」とした(ビル・マッキベン『人間の終焉』119−120頁)。

                                      b 脳からのアップロード

 思考・感情・経験のアップロード ホールは、「今日の人工的な環境は、アフリカのサバンナで進化した人間の本来の装備を凌駕してい」て、「アップロードは、世界を広げる手立てのひとつにもな」り、「ナノテクノロジーによって、身体の可能性は大きく広がるが、アップロードによってさらにそれが広が」り、「われわれは、現在の五感に当てはまらない、新しい感覚を手にすることができ、自分たちの暮らす世界により適した新しい直感も得られる」のではないかとする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』374頁)。

 アップロード・コミュニティ  彼は、「アップロードは、思考や感情の直接転送、経験の共有など、これまで考えられもしなかった様々な相互作用を可能にするだろう」し、「一方で、人々の思考を直接監視したり、精神構造を強制的に変化させることも可能にする」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』376頁)。

 ホールは、「生体としての人間や、自律的なロボットや、アップロード・コミュニティノメンバーに、次々となったり、あるいは同時になったりさえでき」、「自分をさまざまな形態にコピーしたり、同じ形態をした多くの個体にコピーしたりするのは簡単になり、コピーを混ぜ合わせてひとつに戻すことも、簡単ではないが可能にな」り、「隣人の感情を文字どおり感じられるアップロード・コミュニティ」で強い絆を確かめたり、昆虫の侵入を阻止するミリサイズの警備隊の冒険を体験したり、重さ数千トンのロボットで外惑星の衛星を探検するスリルを味わったり、テラフォーミング(地球化)した火星で普通の人間としてのんびりゴルフをしたりすることもできる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』377頁)と展望する。

 しかし、「現実世界における過去の官僚政治を考えると、明らかに存在する危険性は、アップロードされた人々のコミュニティが、すぐに『心をもたぬ怪物』と化してしまう」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』376頁)ことだとする。

 バイオテクノロジーとの関連 ホールは、「有機体でできた本物の脳のアップグレードという点では、ナノテクノロジーはしばらくバイオテクノロジーの脇役になるだろう」が、「それでも、人類はこれまで何千年ものあいだ、知能を高めるためにテクノロジーを使」い、「紙と鉛筆だけでも驚くほどの事ができる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』338頁)ようになっていると、人間知能を高めるテクノロジーを大いに評価している。

                                 H ナノテクと長寿 

 老化システム ドレクスラーは、「自然のナノマシンによる細胞修復が不完全である」ために、「自然は、細胞修復マシンをつくり続け」、「一億年もの進化のプロセスでは、多細胞動物の修復が行われてきたが、進化した動物でも老化し、死を免れていない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』174頁)とする。

 しかし、ピーター・メダウォーは、「若きを助け、老いに負い目を与える遺伝子は、複製を繰り返し、人口を増やしている」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』176頁)と、老化防止・牽制の遺伝子の存在を指摘するのである。

 生体システムのリセット ホールは、老化問題に対しては、「バイオテクノロジーには有望に見えるアプローチがたくさんある」が、結局は、「進化で複雑化した生体システムを、煩雑にリセットする必要のある体内時計がない新しいモデル」に取り替える方が簡単なので、「これで老化だけでなく、人間がなりうるあらゆる病気が防げ、なんでも(木、石炭、ろうそく、ガソリンなど)食べられるようになって、太陽系のどの惑星の表面でも宇宙空間でも、快適に暮らせるようになる」(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』341頁)とする。体内時計のない新モデルの生体システムで寿命が延び、人口が増加しても、宇宙開発すれば大丈夫だというのである。

 平均寿命の大幅延長 では、寿命はどのくらい延びるというのであろうか。

 アメリカの平均寿命は、医療、「衣食住と衛生設備の充実」によって、38歳(1850年生まれ)から73歳(1990年生まれ)にのびた。ホールは、長期的には、「ナノテクノロジーのもたらす進歩が、ガン、エイズ、老化について(もちろん、心臓病、関節炎、風邪についても)、まずプロセスを理解したのちに、克服しようとする大変な努力」が注ぎ込まれ、21世紀後半に「コスト削減が始まり、やがてヒトというマシンの維持コストが手ごろな額に落ち着」き、寿命が250−500歳になるかもしれない(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』335−6頁)とする。これだけ寿命が延びれば、深刻な問題が起きるが、これは後述されうであろう。


                                       5 ナノテクの諸問題

                                    (1) ナノテクノロジーの危険性

                                   @ ナノテク研究の特徴 

 外国のナノテク提唱者ドレクスラーやホールらにおいては、ナノテクの微細な基礎的な技術研究のみならず、フォッグ・ロボット、宇宙開発などナノテクの「上部構造」研究もまた構想されている。

 一方、、日本では、ナノテクは、超高集積DRAMなどの半導体微細化技術から、様々なナノデバイス、ナノスケール材料など、微細な基礎研究が重点的になされている。例えば、日本で発見されたカーボンナノチューブ(強くて、軽く、優れた構造材料)、バイオチップ、医療応用のドラッグデリバリーシステムなどにもナノテク技術の応用が期待されていて、人類文明に大きく関わる世界・宇宙視点は稀薄である。あくまで日本では基礎的な各種技術の変革の推進や見通しが中心である。

 ナノテクの危険性は、程度差を示しつつ、上部構造研究から基礎研究にまで渡って懸念されている。

                                     A 人類の改変 

 ナノテクノロジーの危険性 ドレクスラーは、 「ハイパーテキストやファクトフォーラムに関係なくアクティブ・シールドが持ちだされるとしたら、これを信頼するわけにはいか」ず、「アクティブ・シールドを無視しようとする人々は、ナノテクノロジーには危険性もあり、その危険性が必ず到来するのだと知って、絶望するかもしれない」し、「ナノテクノロジーが地球的規模で進展する流れを地域的に止める無駄な努力が始まるかもしれない」(K・エリック・ドレクスラー『ナノテクノロジー 創造する機械』321頁)とする。

 ホールは、「危険があることは認めながら、研究を抑制することによる危険の方が深刻だ」とする(訳者斎藤隆英「あとがき」[J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』383頁])(訳者あとがき、J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』382頁)。

 斎藤隆英氏は、ナノテクノロジー危険性として、@「極微の粒子が体内に入ると健康を害する」可能性がある事、A「自己複製するナノロボットが大気中で増殖すると、太陽光が遮られて環境破壊を起こすという危険」がある事、B「超小型の偵察機や暗殺マシンなど、軍事技術への応用もありうる」事をあげている(訳者斎藤隆英「あとがき」[J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』382頁])。

 ナノ物質の危険性 吉田典之氏は、「ナノテクの世界では、目立った悪影響や被害はまだ報告されてい」ないが、「だからといってナノサイズの物質(ナノマテリアル)が安全であるということにはな」らないとする。そこで、氏は、「もし、危険性があるとしたらどれくらいなのか、生じる害を最低限にするためにはどうすればいいかなど、世界各国で議論が行われ」、「日本では産業技術総合研究所が中心になって、評価手法の開発などを行ってい」(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』217頁)るとする。つまり、@消費者団体は、カーボンナノチューブは、「細くて長い形が、胸膜にできる悪性中皮腫を引き起こすアスベストと似ている」として、「同様の危険性」を警告し、A化粧品において、白粉成分の酸化チタンや酸化亜鉛は、「ナノサイズになると体内に吸収されたり、これまでにない悪さをしないか」という懸念があり、B「白金も、肌を衰えさせる酸化作用を妨げる『抗酸化作用』があるとして高級化粧品に配合され」ているが、「抗酸化作用も化学反応である以上、微粒子化による表面積の増大や反応活性の向上が、人体の細胞などに対しては大丈夫か、好ましくない働きをすることはないか」という懸念があるとされている(吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』218−220頁)。

 アンドリュー・メイナード(Andrew Maynard、ウッドロー・ウィルソン国際センター)は、「 我々はナノテクノロジーのリスクについて、最早、多くを語らなくなったが、そのことはリスクがなくなったということではない」(The Conversation, March 29, 2016)と指摘する( 化学物質問題市民研究会)とする。農業・工業などでのナノテクノロジーの危険性については、現在でも欧州や日本の市民団代などが真剣に追究している。

 東邦大学理学部ナノテク研究者は、「この様な先端技術が一般社会に受け入れられる為に先ず優先されるべき課題は『健康や生態系への影響に対する安全性の検証』」であり、「『技術の進歩』と『安全性』は表裏一体の関係」だとし、「フラーレンをはじめ二酸化チタン、カーボンナノチューブ、ナノメタル、ナノクリスタルなど多種多様な物質」から開発される「優れた機能を有するナノ物質(粒子)」が「ヒトやヒト以外の生物体内に取り込まれる機会が一層増加してくると予想され」るが、「現在、ナノ粒子がヒトの健康や生態系に与える影響については未解明の部分が殆どであり、「生物学的安全性評価」に向けての研究はスタートしたばかり」だとする。「一般に超微小粒子は生物体内への吸入時においても呼吸器内での沈着メカニズムがより大きな粒子のそれに比べて著しく相違し、さらに物質の特性によっては細胞壁を通過して二次的に各種臓器機能にも影響を及ぼす可能性が危惧され」、「現在、超微小な粒子による汚染については酸化性ストレスやミトコンドリア損傷を誘発する可能性などが指摘され」、「これらの領域を研究する“ナノトキシコロジー”と言われる新たな分野の研究者が必要とされてい」るとする(東邦大学理学部HP「先端技術の表と裏」)。


                                  (2) ナノテク倫理問題 

 ナノテク倫理問題の特徴 ナノテク特有の問題(「ナノ倫理」)に就いては「あるとする見解」と、「全く新しい問題があるわけではないとする見解」がある(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。 ナノテク研究は広範多岐にわたるから、各領域ごとに倫理問題の濃淡が生じてくると見るべきであろう。

 アントニオ・スパニョロ(Antonio G. Spagnolo)らは、“Outlining Ethical Issues in Nanotechnologies”で、「短期・中期的には、ナノテクの応用に特有の倫理的懸念はほとんどないが、新興の分野であるため、今後生じてくる諸問題を調査するための研究を促す必要があり、長期的(20年後)にはプライバシーを含む個人の自由が重要な問題となる」としている (加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 スパニョロらは、臓器移植、遺伝子治療など「複数のナノテクが存在」し、「ナノ倫理」について、「それぞれについて、それぞれの倫理的問題があると考えるべき」であるとしている。加藤穣氏は、「結論的には、ナノテクに特有の『ナノ倫理』を探求することより、『ナノ倫理』をナノテクに関連する倫理的問題の総体として理解し、それがナノテクに関連する倫理的諸問題のプラットフォームとして機能することを目指すべきである」とする(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 ナノテク倫理問題の6領域 ヨアヒム・シュマー(Joachim Schummer、ドイツ・ダルムシュタット工科大学)は、COMESTの報告書“Identifying ethical issues of nanotechnologies”において、ナノテクの倫理的問題の6類型として、@新素材の健康・環境に対する問題、A新しいデバイスのコントロールに関する問題、Bナノテクの軍事利用から生じる問題、Cナノテクの生物医学的応用から生じる問題、Dナノテクの資源の問題、Eナノテクの知的財産権の問題などを挙げている(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 加藤穣氏らは、これらについて、具体的に補足している。つまり、彼らは、@「新素材の健康・環境に対する問題」としては、ナノテクの惹き起こす倫理的問題として最も中心的に議論されている安全性・リスクの問題を中核とし、歴史的には、公害、環境ホルモン、アスベスト等の健康被害の系列に連なり、リスク評価を主要な目的として国際的な標準化も進められているとし、A「新しいデバイスのコントロールに関する問題」としては、「不正な使用に対して、それを探知し、無力化する方法や道具の開発も平行して進めるべきである」と主張し、B「軍事利用」については、生物化学兵器、兵器の小型化を中心とした新たな軍備拡張競争の可能性を指摘し、Cナノメディシンにおける倫理的諸問題としては、短期的にはリスク、「治療なき診断」、中期的には、「身体という概念に関する混乱」、「身体に対する態度が変化すること」、「プライバシーと自律」、「個人のアイデンティティ」、「医療化」、「社会的不正」、「人間存在に対する見方が変化すること」、長期的には、「自己の知覚が不明瞭になること」、「ポスト・ヒューマン」(post-humanity)を挙げ、D「ナノテクの資源の問題」としては、ナノテクが新たな希少な資源を必要とする可能性と、それをめぐる資源獲得競争の可能性を指摘し、E「ナノテクの知的財産権の問題」としては「特許権との関連でナノテクが国際的な格差を拡大するのではないか、という懸念」を指摘する(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 ナノテク医療と倫理 さらに、Cについて見てみよう。

 「今日の医療」は、@「ある種の治療や改良を、興味本位ですべきかどうかという問題」、A「人間やその部品を、他人の治療のために作っていいのかという問題」という「ふたつの倫理上の問題」に直面している(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』334頁)。後者の場合、バイオテクノロジーの場合には「クローン作成の倫理性や臓器の売買のような問題が生じやすく」、「部品を扱うのか人間を扱うのか、あやふやなところが残る」が、ナノテクの場合、「あらかじめ決めた特定の機能をもつ、見るからにマシンというものを作ることにな」り、「患者本人の細胞を修復したり、元の器官と同じぐらいでよくできた純粋な機械部品を作ったりできるので、そうした問題が治療の妨げになる事はない」から、こう言う問題を回避できる(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』334−5頁)。

 ナノテク、またその医療応用は共に「初期の段階にある」が、「市場へは「ナノテク」を謳った商品が多数投入され」、「例えば、代表的なナノ材料であるフラーレン配合の化粧品、CNTを用いたテニスやバドミントンのラケット、スノーボード、自転車、ゴルフクラブなどもありふれたものとなっている」。一方、「CNTのアスベスト様の健康被害の可能性の指摘など、リスクに関する議論と同時進行している」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。ナノテクの臨床応用が進んでいない段階では研究における倫理性が現在の中心的な問いの一つであろう(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 倫理的な判断・規制の機構の必要性、つまり「各当事者が研究・開発において、倫理的に適切な判断を重ねられるように支援、また規制するための体制を整備していくことも必要」であり、「莫大な利益は、ある主体が倫理的にまっとうな判断を下すのを困難にするかもしれない」し。「その一方で、今後ナノテク、ナノメディシンがより発展し、産業構造、例えば医療業、医療機器、医薬品業界などにドラスティックな変動があったときには倫理的判断が困難になる当事者も現れると予想される」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 低侵襲の治療法の重要性、つまり「医療がより低侵襲[身体に対する手術・検査[内視鏡やカテーテルなど]などに伴う痛み、発熱・出血などが少ないこと)になっていくと、「無危害原理」は、より「身体の完全性」(bodily integrity)という観点から検討され、また理解される必要があ」り、「また、医療の発展は医療費を増大させる主要な原因とされてきたが、高齢者も適応となる低侵襲の治療法が開発されると、高齢化の進展は医療費を増大させないという医療経済学の常識が覆る可能性がある」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。


                              (3) ナノテク投資の妥当性 


 ナノテク投資の妥当性如何も問題になって来た。つまり、@「ナノハイプ(ナノ誇大宣伝)については、それが懸念を不当に覆い隠してしまう可能性をもつだけでなく、実質的に他の分野(研究だけでなく政府などの支出が必要な他の分野)から資金を事実上奪っている」こと、A「ナノハイプを離れたとしても、ナノテク関連の研究が限られたパイの中で他分野から資金を奪っているという現実があ」り、「莫大な投資に見合うアウトカムが得られていないという現在までの研究・開発の進捗状況を考えると、公的資金を投入するとすればそれが適切だということが示されるようにしなければならないだろう」こと、B「さらに、ナノテクとの関連が薄い、あるいは研究の進展がナノのスケールに程遠いにもかかわらず、ナノテク関連の資金を獲得することは、日本では既に現実的な問題となっている」事などである(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 ヨアヒム・シュマーは 、「単数形のナノテクに多額の資金が投入されている現状に対して、ナノテクのどの分野に対して資金が投入されるべきか問題にせずに一律に資金を投入する姿勢」を批判し、「政府のプログラムがナノテクに関する誇大広告を生み出すことに手を貸してきたことも批判の対象となる」とする。シュマーは、「国際的な公正の問題については、グローバリゼーションが進展している時代に現われてきたため、ナノテクの各分野について、発展途上国の経済状況に対して、有益であるにせよ有害であるにせよ、どのような影響を持つか評価されることが不可欠である」とも述べている(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。

 こうしたことを考慮して、「巻末」の「ナノテク参考文献」一覧を見ると、2001年頃から2007年頃まで、ナノテク全般及びナノテク個別部門の入門書・手引書・特集号が少なからず刊行され、2005年頃からは科学技術振興機構研究開発戦略センター、産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門、経済産業省製造産業局ナノテクノロジー材料戦略室、新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部、厚生労働科学研究費補助金などがナノテク研究を誘導して来たことがわかり、ここにこうした官民のナノテク投資の妥当性が問題となるのである。

 しかし、ナノテクの研究は、人工知能ロボット、遺伝子工学とともに先端科学研究の一環を形成しているが、人工知能ロボットのように、巨大投資を誘発するというなものとはなっていない。



                               (4) 各国の対応策

 ナノテク放棄論 ビル・マッキベンは、『人間の終焉ーテクノロジーはもう十分だ!』(山下篤子訳、河出書房新社、2005年)で、「人間の改良のためにバイオテクノロジーを利用しないという意味で、テクノロジーの放棄を呼びかけている」。ビルは、「テクノロジーの進歩により、地球が『管理された公園』になりつつあることを心配し」、「もはや本当の意味での自然はなくなり、あこぎな役人や開発業者の手が届かない場所はなくなる」とする(J.ストーズ・ホール『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』343−5頁)。

 これは、地球の「本当の自然」を保護するための、ナノテクを含めたテクノロジー放棄論である。以下では、ナノテクに限定して、規制論を瞥見しておこう。

 ナノテク倫理規制論 諸外国でのナノテク諸問題の取組み状況についてみると、2000年に米国では「国家ナノテクノロジー戦略」が設定され、各分野毎に利用に伴う諸問題の研究が義務づけられ、2004年欧州連合でも「欧州ナノテク戦略」が策定された(深澤 和則「欧州連合(EU)のナノテクノロジーに関する動向」[NEDO海外レポートNO.978, 2006.5.24])。アジアにでも、2004年に台湾が「環境ナノテクノロジー国際シンポジウム」を開催し、2005年に日本でも「ナノテクの社会的影響研究についての調査研究体制」が発足した(産業技術総合研究所「ナノテクノロジーの社会的影響に関する調査研究」産総研、2006年、東邦大学理学部HP「先端技術の表と裏」)。

 その後、欧州では、@2016年4月13日ジュネーブ”ナノ物質を含む廃棄物に関する宣言”の中で、国際環境法センター(CIEL)、 ECOS、及び Oeko-Institut は、「廃棄物の流れの中の工業ナノ物質(MNMs)の可能性ある危険(ハザード)から人々と環境を保護するための予防的措置を採用し実施することの重要性を強調し」、A2016年4月20日、「新素材に関するガバナンスの展望に関心を持つ学会、規制機関、産業及びその他の組織からの代表者の間に学際的な議論を起す」ために、BAuA(ドイツ労働安全衛生研究所)はナノ物質及びその他の新素材に由来するアスベスト様ファイバーに関する国際シンポジウムを開催し、B2016年4月25日、NGOs、消費者グループ、及び研究組織は、「欧州委員会が EU 市場にあるナノ物質についての情報の収集と発表のための適切な措置を提案することを依然として怠っている」ことに失望の意を表明したりしている。(化学物質問題市民研究会のHP)。このように、各機関、市民団体などが、廃棄物中のナノ物質、新素材などの情報公開、予防措置策定などに関わっている。

 日本では、ナノ倫理問題はナノ社会的受容の付随物という側面がある。これに関して、加藤氏は、日本でこれまでナノ倫理が「あまりに社会的受容の問題に集中している」のは、「遺伝子組み換え作物の二の舞を避ける」ためとも推定されるとするのである。また、「エンハンスメント(人間強化)のように、ナノテクが飛躍的に発展させる可能性を持つ各分野についてもその倫理的諸問題に関する研究の蓄積が相当ある」のだが、それを生かせず「研究・開発に携わる研究機関以外で倫理的諸問題に関する研究がおろそかであ」(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)るとする。

 概して、ドナルド・エヴァンス(Donald Evans、UNESCO報告書所収の“Ethics, nanotechnology and health”)、関谷瑞木氏(「ナノテクノロジーの倫理的・法的・社会的影響ー課題と情報発信について」阿多誠文編『ナノテクノロジーの実用化に向けてーその社会的課題への取り組み』技報堂出版、2008年)らも指摘するように、「ナノテクが初期段階にあることから個別の倫理的懸念に対処する時間的な猶予がある」かのように思えるが、「国際レベルで包括的なアプローチが採られない限りは、必ずしもそうと言い切れない」とする(加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月)。


                                 おわりに

 以上、ナノテクノロジーの基本的特徴を踏まえた上で、政府・機関によるナノテクの奨励がいかになされ、ナノテクがどの様に展開し、いかなる諸問題を提起したかなどを考察した上で、ナノテクがいかなる人類文明破滅危機を孕んでいるかなどを検討した。

 2000年初頭には全米科学基金がナノテクノロジー市場は2015年までに1兆ドル規模((1ドル100円換算で100兆円)になる可能性」があると、AIロボットの市場規模の数倍になるとしたり、当初のナノテクには宇宙開発、身体改造、ナノマシンなどで大いなる展開の予想もあったりしたが、やがてこうした「荒唐無稽さ」も影を薄め、当初の大いなる期待論、派手な振興論も沈静化し、最近では投資規模や、経済成長への期待も「地味」になり、ナノテクは基礎技術に収斂するか、微細技術商品になどに先進的イメージを付与するために利用されているかである。つまり、当初は、ナノテクの脳、寿命、身体改造などによる人類改造が提唱され、次述「遺伝子工学」とともに、、「人間の終焉」危機ともいうべき危機感が表明されていたが、結局、ナノテクではこう言う面での具体的成果はみられないということである。こうして、ナノテクによる脳、寿命、身体改造などの研究が進捗しないこともあって、AIロボットの場合のように、大きく人類滅亡危機の可能性が警告されることは稀薄である。

 この結果、前述のAIロボット規制論に比べれば、ナノテク経済成長論・経済立国論にもはや勢いはなく、故にナノテク規制論はかなり弱いものとなっていると思われる。確かに、ナノテク廃棄物などには、市民団体からは今でもその問題性・危険性が指摘されているが、今の所、これらは人類文明滅亡に大きく関わるような危機ではないのである。ただし、2016年でも、科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニットは、ナノ・IT・メカ統合によるスマート小型ロボット基盤技術の構築をめざしている。さらに、このナノテクが前述のAIロボット・テクノロジーと連動する時、人類滅亡危機を相乗的に大きくする可能性はあるのである。

 
                                                    2016年8月27日初稿

                            

                          資料<ナノテク参考文献

1988年
田中充, 小林直人 共著『ナノテクノロジー : ハイテクを支える超精密科学』産業図書 1988

1990年
丸山 一男,宮本 岩男,飯塚 清「ナノテクノロジー構築体制 (ナノテクノロジー構築最前線--その哲学と動向<特集>)」『精密工学会誌』 56(3) 1990-03

1992年
小宮宗治 [ほか]『ナノテクノロジー・表面分析の科学 : 原子・分子スケールで表面を見る』講談社 1992 (ブルーバックス)
K・エリック・ドレクスラー、相沢益男訳『ナノテクノロジー 創造する機械』パーソナルメディア、1992年(K.Eric Drexler,"Engine of Creation-The Coming Era of Nanotechnology."1986)

1993年
エレクトロニクス編集部編『ナノテクノロジー最先端 : 90のQ&A』オーム社 1993

1994年
荒川 泰彦「ナノテクノロジーと先端デバイス」『生産研究』 46(11) 1994-11 p.p571〜580

1997年
田辺, 郁男『ナノテクノロジー支援のための超精密加工シエルターの開発』 長岡技術科学大学 1997

1998年
山瀬利博『ナノテクノロジー材料としての希土類ポリ酸を用いたメゾスコピツク構造の構築と光物性』東京工業大学 1998
「特集:ナノテクノロジー」『学術月報』日本学術振興会 編 51(7) 1998-07 p.668〜715
相沢 益男「ナノテクノロジー : ブレークスルーへのチャレンジ (特集:ナノテクノロジー)」『学術月報』日本学術振興会編 51(7) 1998-07

2000年
石津浩二 編著『分岐ポリマーのナノテクノロジー : 次世代高分子材料の戦略設計』アイピーシー 2000
「特集 ナノテクノロジーの基礎と応用」『空気清浄 : コンタミネーションコントロール』 38(4) (通号 248) 2000

2001年

『革新的技術分野(ナノテクノロジー)における分野別評価報告書』 産業構造審議会 産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会革新的技術分野 (ナノテクノロジー) における分野別評価WG 2001
農林水産技術会議『欧米における食品品質評価手法及びナノテクノロジー研究推進状況調査』農林水産技術会議事務局技術政策課 2001
科学技術学術審議会『ライフサイエンス、情報科学技術、地球環境科学技術、ナノテクノロジー・材料及び防災分野における当面の研究開発の推進に関する考え方について : 報告』科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 2001

川合知二 監修『図解ナノテクノロジーのすべて』工業調査会 2001
森谷正規 著『ナノテクノロジーの「夢」と「いま」』文藝春秋 2001 (文春新書)
ナルックス株式会社『光とナノテクノロジーを求めて : ナルックス株式会社50年史』ナルックス 2001
田中一宜 監修,十倉好紀 編著『アトムテクノロジーへの挑戦 : ナノテクノロジーの最前線1、 2』日経BP社 2001
小林直哉『テクノ図解ナノテクノロジー : 新時代のキーワードが面白いほどよくわかる!! 』東洋経済新報社 2001
Luigi Fabbrizzi, Antonio Poggi 編,廣瀬千秋 訳,遠藤剛 監訳『未来を拓く化学 : 分子設計,超分子,ナノテクノロジー,そしてその先にあるもの』エヌ・ティー・エス 2001
小林 直哉/著『ナノテクノロジー : 新時代のキーワードが面白いほどよくわかる!! : 10億分の1!!原子、ウィルスも自由に操作できる夢のテクノロジー』 東洋経済新報社 2001 (テクノ図解)
石井 威望「ナノテクノロジー」『Techno current』世界経済情報サービス 編 (308) 2001-10-15
十倉好紀『電子スピンを見る操る』日経BP社 2001 (アトムテクノロジーへの挑戦 : ナノテクノロジーの最前線)
「特集 ナノテクノロジー」『 高圧ガス』高圧ガス保安協会 [編] 38(10) (通号 379) 2001-10
「特集 ナノテクノロジー」『日経サイエンス』 31(12) (通号 362) 2001-12
横山 浩「総論 ナノテクノロジーの動向と展望 (特集 ナノテクノロジー)」『高圧ガス』高圧ガス保安協会 [編] 38(10) (通号 379) 2001-10
「特集 材料ナノテクノロジー」『 化学工学』 65(11) 2001-11
奥山 喜久夫「ナノパーティクルテクノロジー (特集 材料ナノテクノロジー)」『化学工学』65(11) 2001-11
「特集 材料ナノテクノロジー(2) 」『Ceramics Japan : Bulletin of the Ceramic Society of Japan』日本セラミックス協会 [編] 36(9) 2001-09
「特集 ナノテクノロジーと高分子」『高分子』高分子学会 [編] 50(5) (通号 592) 2001-05
田中 一宜「アトムテクノロジープロジェクト (特集 材料ナノテクノロジー) 」『化学工学』65(11) 2001-11
山本 靖「ナノテクノロジーの発展を担う化学--ケミカルナノテクノロジーの役割 (特集 ナノテクノロジー) 」『高圧ガス』高圧ガス保安協会 [編] 38(10) 2001-10
安田 英典「ナノテクノロジーの世界と日本の動向 (特集 材料ナノテクノロジー) 」『化学工学』65(11) 2001-11
「ナノテクノロジーにおけるAEMの役割」『分析電子顕微鏡討論会予稿集』17 2001-09
「特集 ナノテクノロジー最近の話題」『化学工業』 52(3) (通号 613) 2001-03

平尾 一之「ナノガラス (特集 材料ナノテクノロジー(2)) 」『Ceramics Japan : Bulletin of the Ceramic Society of Japan』日本セラミックス協会 [編] 36(9) 2001-09
Richard W. Siegel「米国におけるナノテクノロジー (特集1 材料ナノテクノロジー(1)日米の取り組み)」『 Ceramics Japan : Bulletin of the Ceramic Society of Japan』日本セラミックス協会 [編] 36(5) 2001-05
「特集 情報通信とバイオ&ナノテクノロジー」『情報通信ジャーナル』19(12) (通号 165) 2001-12
松井 功「材料ナノテクノロジーに関わる開発課題 (特集 材料ナノテクノロジー)」『化学工学』 65(11) 2001-11
増原 宏「展望 ナノテクノロジーとしての単一微粒子光科学 (特集 ナノテクノロジーと高分子) 」『高分子』高分子学会 [編] 50(5) 2001-05
森田 清三,菅原 康弘「走査プローブ顕微鏡によるナノテクノロジー」『応用物理』 70(10) 2001
増原 宏「ナノテクノロジーとしての光化学の展開」『化学工業』 52(8) (通号 618) 2001-08

2002年

川合知二 著『ナノテクノロジー入門』オーム社 2002
塚田捷, 河津璋 共編『ナノテクノロジー最前線 : 21世紀新産業革命の主軸』東京教育情報センター 2002
飯田清人『IT革命からナノテクノロジーへ : 半導体技術の創造と進化』丸善 2002
日本経済新聞社『日経ナノテク国際シンポジウム ナノテクノロジーが拓く産業フロンティア』2002
餌取章男, 菅沼定憲 著『ナノテクノロジーの世紀』筑摩書房 2002 (ちくま新書)
『ナノテクノロジー・材料計画総覧: 21世紀のキーテクノロジー、新産業革命の担い手』産業タイムズ社 2002
山本尚利, 山本達也 編著『米国先端ナノテクノロジー最新開発動向事例集』新技術開発センター 2002
谷井孝至『ナノ構造配列を基盤とするナノテクノロジーの基礎的研究』 2002
『ナノテクノロジー関連市場の全貌 2002年版』富士経済 2002
大泊巌 編著『トコトンやさしいナノテクノロジーの本』日刊工業新聞社 2002
西嶋光昭 著『表面反応の微視的機構 : ナノテクノロジーの基礎』アイピーシー 2002
高分子学会 編『ナノテクノロジーと高分子』エヌ・ティー・エス 2002
春山純志 著『単一電子トンネリング概論 : 量子力学とナノテクノロジー』コロナ社 2002
川合知二 監修『図解ナノテク活用技術のすべて』工業調査会 2002
「特集 ナノテクノロジー 」『学術の動向』SCJフォーラム ・学術の動向編集委員会 編 7(8) (通号 77) 2002-08
「特集 ナノテクノロジー」『 Estrela』Estrela編集委員会 編 (105) 2002-12
「特集 ナノテクノロジー」『材料の科学と工学』日本材料科学会誌 39(5) (通号 221) 2002
「特集 ナノテクノロジー」『日本の科学者』日本科学者会議 編 37(2) (通号 409) 2002-02
吉原 一絋『ナノテクノロジー総論 (特集 ナノテクノロジー)」『材料の科学と工学』日本材料科学会誌 39(5) (通号 221) 2002
松重和美, 田中一義 編『分子ナノテクノロジー : 分子の能力をデバイス開発に活かす』化学同人 2002 (化学フロンティア ; 6)
「カレント・インデクス ナノテクノロジー」『月刊政府資料』政府資料等普及調査会・調査部 編 (335) 2002-06
科学技術学術審議会『ナノテクノロジー・材料に関する研究開発の推進方策について』科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 2002
川合 知二「ナノテクノロジーの動向」『学術の動向 7(8) 2002 p.14-17 藤正 巖「ナノテクノロジーと医療」『学術の動向』 7(8) 2002
横山 浩「ナノテクノロジーとはなんだろう (特集 ナノテクノロジー) 『Estrela』Estrela編集委員会 編 (105) 2002-12
榊 裕之「ナノテクノロジーの現状と展望」『学術の動向』 7(8) 2002
藤田 忍「米国におけるナノテクノロジーの動向 (新春特集 ナノテクノロジー) 」『機能材料』 22(1) (通号 245) 2002-01
「新春特集 ナノテクノロジー」『機能材料』 22(1) (通号 245) 2002-01
南部 健一「解説 ナノテクノロジーを支える粒子シミュレーション (小特集 ナノテクノロジー) 」『日本機械学会誌』 105(1004) 2002-07
平尾 一之,田中 勝久,藤田 晃司「ナノテクノロジーによるものづくり」『現代化学』 (372) 2002-03 p.45〜50
市川昌和『ナノテクで原子分子を見る触る操る』日経BP社 2001 (アトムテクノロジーへの挑戦 : ナノテクノロジーの最前線)
「小特集 ナノテクノロジー」『 日本機械学会誌』 105(1004) 2002-07
「脚光浴びるナノテクノロジー」『経済の進路』 (483) 2002-06
高村 淑彦「解説 期待されるナノテクノロジー」『ボイラ研究』 (313) 2002-06
「特集 ナノテクノロジーの最前線」『化学工業』 53(11) (通号 633) 2002-11
大澤 秀一「Current Report 注目されるナノテクノロジー」『大和レビュー』 (8) 2002-00 p.168〜197
林原 光男「実用化へ向けたナノテクノロジー」『電気協会報』 (930) 2002-05
松井 安俊「ナノテクノロジーをめぐる科学・技術政策の動き (特集 ナノテクノロジー) 」『日本の科学者』日本科学者会議 編 37(2) 2002-02
「特集 ナノテクノロジーへの期待」『省エネルギー』 54(1) 2002-01

「求められる、実用応用を見据えたナノテクノロジー研究 (特集 産業の扉を開くナノテクノロジー) 」『 Trigger』 21(3) (通号 250) 2002-03
佐藤 眞士「経済産業省および産総研におけるナノテクノロジー」『表面技術』 53(12) 2002
「ニュース・ファイル〈ナノサイエンス&ナノテクノロジー〉 (特集 産業の扉を開くナノテクノロジー)」『Trigger』 21(3) (通号 250) 2002-03
阪大フロンティア研究機構 編『大学改革とナノテクノロジーの未来 : 阪大FRCの挑戦』大阪大学出版会 2002
計測自動制御学会『ナノテクノロジーを支える先端計測技術-SPMの現状と展望』2002 (先端電子計測部会講演会 : 資料 ; 第21回)
上條榮治 監修『プラズマ・イオンビーム応用とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2002
石川昌明『相転移における自己組織化制御とナノテクノロジーへの応用』山口大学 2002
日本表面科学会『ナノテクノロジーのための走査プローブ顕微鏡』 丸善 2002 (表面分析技術選書)
日本包装学会第27回シンポジウム : 要旨集 : ナノテクノロジーによる新しい包装技術』日本包装学会 2002
河田聡 編『光とナノテクノロジー : 第16回「大学と科学」公開シンポジウム講演収録集』クバプロ 2002
山岡亞夫 監修『新しいレジスト材料とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2002
日本化学会『先端電気化学 : 電池・エレクトロデバイス・ナノテクノロジー材料』2002 (21世紀の化学の潮流を探る ; no.15)
平坂雅男, 朝倉健太郎 共編『電子顕微鏡研究者のためのFIB・イオンミリング技法Q&A : ナノテクノロジーの推進役』アグネ承風社 2002
山下義裕『ナノテクノロジー技術を利用した高性能繊維の設計とその全方向力学特性の評価』滋賀県立大学 2002
日本分光学会『光ナノテクノロジー・生命科学への展開 : 平成14年度日本分光学会医学生物学研究部会シンポジウム : テキスト』 2002
樽茶 清悟「ナノテクノロジーと物理」『学術の動向』 7(8) 2002
児玉 英世,林原 光男,小園 裕三「解説 材料ナノテクノロジー (特集 ナノテクノロジーと表面技術)」『表面技術』表面技術協会 [編] 53(12) 2002
小林和夫 企画・監修『カーボンナノテクノロジーの基礎と応用』サイペックナレッジサービス事業部門 2002
柿本 雅明「解説 高分子とナノテクノロジー (特集 ナノテクノロジー) 」『材料の科学と工学 : 日本材料科学会誌 39(5) (通号 221) 2002
竹内 繁樹「量子情報デバイスとナノテクノロジー (新春特集 ナノテクノロジー) 」『機能材料』 22(1) (通号 245) 2002-01
河田 聡「ナノフォトニクス (新春特集 ナノテクノロジー) 」『機能材料』22(1) (通号 245) 2002-01
齋藤 弥八「カーボンナノチューブ (新春特集 ナノテクノロジー)」『機能材料』22(1) (通号 245) 2002-01
財満 鎭明「解説 シリコンナノテクノロジー (小特集 ナノテクノロジー) 」『日本機械学会誌』105(1004) 2002-07
小野 義正「ナノテクノロジーの応用分野を探る (特集 ナノテクノロジーへの期待)」『省エネルギー』 54(1) 2002-01
石津 浩二「高分子合成とナノテクノロジー (特集 化学分野におけるナノテクノロジー)」『化学装置』44(2) 2002-02
米澤 徹「「自己組織化」と化学系ナノテクノロジー (特集 化学分野におけるナノテクノロジー)」『化学装置』 44(2) 2002-02 p.34〜40
多持 隆一郎,佐藤 貢「解説 FE-SEMを用いたナノテクノロジーへの応用 (特集 ナノテクノロジー)」『材料の科学と工学』日本材料科学会誌 39(5) 2002
竹内 学「解説 センサとナノテクノロジー (特集 ナノテクノロジーと表面技術)」『表面技術』表面技術協会 [編] 53(12) 2002
「特集 炭素ナノ材料とナノテクノロジー」『ペトロテック』石油学会 編 25(10) (通号 298) 2002-10
民谷 栄一「ナノテクノロジーとバイオテクノロジー (特集 ナノテクの世界) 」『技術と経済』428、 2002-10
田口 裕也「ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの接点はどこにあるのか」『学術の動向』 7(8) 2002
小林 直哉「期待されるナノテクノロジーと波及効果 (特集 ナノテクノロジーへの期待)」『省エネルギー』 54(1) 2002-01
鈴木 俊明,遠藤 徳明,柴田 昌照 他「解説 ナノテクノロジーをサポートするSIM像の応用 (特集 ナノテクノロジーと表面技術)」『表面技術』表面技術協会 [編] 53(12) 2002
「特集 化学が拓くナノテクノロジー」『化学』化学同人編 57(1) 2002-01
「特集 産業の扉を開くナノテクノロジー」『 Trigger』 21(3) 2002-03
伊賀 健一「ナノテクノロジー総論 (特集 ナノテクノロジーの光とエレクトロニクスへの応用)」『電子情報通信学会誌』 85(11) 2002-11

2003年
ダグラス・マルホール(Douglas Mulhall)、長尾力訳『ナノテクノロジー・ルネッサンス?ナノテクノロジー・ロボット工学・遺伝子工学・人工知能が開く輝ける人類の未来』アスペクト、2003年
塚田捷,河津璋/共編『ナノテクノロジー最前線 : 21世紀新産業革命の主軸』 東京教育情報センター 2003

『ナノテクノロジー・ハンドブック』 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー知識研究会 編著 日経BP社 2003
『JNNB : Japan nano net bulletin』 物質材料研究機構・ 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター 2003
中国産業活性化センター『微細加工・材料生成技術(ナノテクノロジー)の展開による地場機械関連製品の高機能化に関する調査報告書 : 概要版』2003
西義雄『ナノテクノロジーを発展させるために産学連携はどうあるべきか』文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センター 2003 (科学技術政策研究所講演録 ; 127)
大沢吉直, 米田理史 著『米国ナノテクノロジー分野の運営活動状況』産業技術総合研究所・技術情報部門 2003
水島裕『ナノテクノロジーを用いた新規DDS製剤の研究開発 : 平成14年度総合研究報告書』 厚生労働科学研究費補助金萌芽的先端医療技術推進研究事業
2003
砂川賢二『ナノテクノロジーによる機能的・構造的生体代替デバイスの開発 : 平成14年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働省科学研究補助金(萌芽的先端医療技術推進研究事業) 』2003

Mick Wilson [ほか]原著,小薗井薫 監訳『ナノテクノロジーの基礎科学』エヌ・ティー・エス 2003
川合知二 監修『ナノテクノロジー大事典』工業調査会 2003
ナノテクノロジーハンドブック編集委員会 編『ナノテクノロジーハンドブック 1編(創る)』オーム社 2003
ナノテクノロジーハンドブック編集委員会 編『ナノテクノロジーハンドブック 2編(観る)』オーム社 2003
ナノテクノロジーハンドブック編集委員会 編『ナノテクノロジーハンドブック 3編(ITヘ使う)』オーム社 2003
小林直哉 著『図解雑学ナノテクノロジー』ナツメ社 2003
マイクロマシン技術総覧編集委員会 編『マイクロマシン技術総覧 : ナノテクノロジーの基盤技術』産業技術サービスセンター 2003
『ナノテクノロジー関連市場の現状と将来展望』富士経済 2003
超精密産業技術研究会 編、中澤光男 監修『実用超精密加工と計測技術 : ナノテクノロジーの新展開に向けて』エヌ・ティー・エス 2003
平尾一之 編『基礎から学ぶナノテクノロジー』東京化学同人 2003
日本総合研究所 『分野別技術動向調査(ライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料、情報通信分野)報告書』2003
堀池靖浩, 片岡一則 共編『バイオナノテクノロジー』オーム社 2003 (ナノテクノロジー基礎シリーズ)
川合知二 著『ナノテクノロジー : 極微科学とは何か』PHP研究所 2003 (PHP新書)
辻野貴志 著『ナノテクノロジーを追う』日経BP社 2003 (こちら気になる科学探検隊)
小林 直哉/著『ナノテクノロジー』ナツメ社 2003
本宮 達也,梶原 完爾 「ナノテクノロジー」『繊維製品消費科学』 44(7) 2003
First International Symposium on Bioscience and Nanotechnology : 21st Century's Centre of Excellence Programme ,[organesed by] Bio-Nano Electronics Research Centre, Toyo University, Nanotechnology Researchers Network Centre of Japan [Bio-Nano Electronics Research Centre, Toyo University] 2003
中村 道治「ナノサイエンス・ナノテクノロジー 産業界から見たナノテクノロジー」『化学と工業』 56(3) 2003-03
菅沼 定憲「ナノテクノロジーの世紀」『 公評』 40(1) 2003-01

福井萬壽夫, 大津元一 共著『光ナノテクノロジーの基礎』オーム社 2003
河田聡 編『光でナノテク・ナノサイエンス : 第17回「大学と科学」公開シンポジウム講演収録集』クバプロ 2003
大津元一, 小林潔 共著『近接場光の基礎 : ナノテクノロジーのための新光学』オーム社 2003
日本表面科学会 編『ナノテクノロジーのための表面電子回折法』丸善 2003 (表面分析技術選書)
澤田和明『真空ナノテクノロジーによる超高感度・不可視光画像化デバイス』豊橋技術科学大学 2003
東野史裕『Etsファミリー遺伝子導入による骨再生医療の試み : ナノテクノロジーの応用』北海道大学 2003
松田暉『ナノテクノロジー技術の応用により自己再生能を賦活化する心筋再生治療法の確立』2003
青柳克信『ナノテクノロジーを用いた深紫外半導体発光デバイスの開発とその応用』 2003
化学工学会『日本バイオイメージング学会と化学工学会の連携による「ナノとバイオの融合学理構築と産業基盤形成」 : 公開シンポジウム』化学工学会・バイオナノテクノロジー委員会] 2003
中部産業活性化センター『ナノテクノロジーによる中部地域産業の新たな展開』2003-03
「特集/ナノテクノロジー」『色材協会誌』 76(12) 2003-12
「特集 ナノテクノロジー」『島津評論 / 島津評論編集部 [編] 60(1・2) (通号 199) 2003
?谷信三 [ほか]編『ゴム材料の配合技術とナノコンポジット』シーエムシー出版 2003
野村 良紀「合成化学とナノテクノロジー」『日本接着学会誌』日本接着学会 [編] 39(4) 2003
「特集 ナノテクノロジーとセラミックス」『Ceramics Japan : Bulletin of the Ceramic Society of Japan』日本セラミックス協会編38(5) 2003-05
伊藤正男,廣川信隆,木下 一彦他「座談会・生命のナノテクノロジー」『生体の科学』金原一郎記念医学医療振興財団編 54(1) 2003
高木 和行「ナノテクノロジーと製造装置 (特集/ナノテクノロジーと香粧品科学)」『Fragrance journal』 31(8) (通号 275) 2003-08
「座談会・生命のナノテクノロジー」『生体の科学』金原一郎記念医学医療振興財団 編 54(1) 2003
吉江 建一「ナノサイエンス・ナノテクノロジー 産学間国際的共同研究とナノテクノロジー」『化学と工業』 56(5) 2003-05
「実用鉄鋼材料におけるナノテクノロジー (特集 鉄鋼材料のナノテクノロジー) 」『特殊鋼』 52(3) (通号 605) 2003-03
「鉄鋼材料のナノテクノロジーの動向 (特集 鉄鋼材料のナノテクノロジー) 」『特殊鋼』 52(3) (通号 605) 2003-03
「高まるナノテクノロジーへの期待」『経済の進路』 (499) 2003-10
井上 貴仁「新世紀を拓く(35)ナノテクノロジー」『日本の科学者』 日本科学者会議 編 38(11) (通号 430) 2003-11
「特集 ナノテクノロジー・材料と赤外線」『日本赤外線学会誌』日本赤外線学会 編 12(2) 2003-03
民谷 栄一「ナノテクノロジーとバイオテクノロジー (特集/ナノテクノロジーと香粧品科学)」『 Fragrance journal』 31(8) 、2003-08
平尾一之, 田中修平, 西井準治 監修『機能性ナノガラスの最新技術と応用』シーエムシー出版 2003
「特集 鉄鋼材料のナノテクノロジー」『 特殊鋼』 52(3) (通号 605) 2003-03
「特集/放射光利用とナノテクノロジー」『化学工業』 54(9) (通号 643) 2003-09
二本 正昭「高密度磁気記録とナノテクノロジー」『真空』 46(10) 2003
Wuled Lenggoro,奥山 喜久夫「ナノサイエンス・ナノテクノロジー ナノ粒子の合成及びナノテクノロジーへの展開」『化学と工業』 56(4) 2003-04
国武 豊喜「ナノサイエンス・ナノテクノロジー ナノテクノロジーは日本の化学にとって何を意味するか」『化学と工業』 56(12) 2003-12
横山 直樹「ナノサイエンス・ナノテクノロジー ナノテクノロジーへの期待--富士通研究所の取り組み」『化学と工業』56(10) 2003-10
「特集 ナノテクノロジー時代の分子デバイス」『表面科学』 日本表面科学会 編 24(2) 2003-02

2004年

目崎令司, 山口由岐夫編『英和・和英ナノテクノロジー用語集』エヌ・ティー・エス 2004-02
辻野 貴志,箕輪 剛,岩田 貴陽著『ナノテクノロジーの世界 : CD?ROM・カラーCGで見る』数研出版 2004
「特集 ナノテクノロジー」『パリティ』19(4) 2004-04 p.4〜55
DVD・CD『日経ナノテクノロジー 2004』 日経ナノテクノロジー編集 編 日経BP社 2004
榊裕之 著『全図解ナノテクノロジー : その全貌と未来』かんき出版 2004
安田幸夫, 榊裕之, 森野明彦『革新的なナノテクノロジー研究を日本の将来に生かすために』文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センター 2004 (科学技術政策研究所講演録 ; 141)
井上 康志,河田 聡「入門講座 入門ナノテクノロジー 総論」『ぶんせき』2004年(1) (通号 349) 2004-01
「特集 ナノテクノロジーの先端技術」『繊維機械学会誌 : せんい』 57(5) (通号 669) 2004-05
浅井 修平「ナノテクノロジーと産業高度化」『北陸経済研究』 (313) 2004-07
「特集 ナノテクノロジーの最新開発動向」『電気評論』 電気評論社 [編] 89(10) (通号 476) 2004-10
岡崎 俊也,篠原 久典「入門講座 入門 ナノテクノロジー フラーレンとカーボンナノチューブ:ナノテクノロジーのフロントランナー」『ぶんせき』 2004年(2) 2004-02
『分子ナノテクノロジー : その現状と展望』日本化学会 2004 (21世紀の化学の潮流を探る ; no.20)
『ナノテクノロジー関連市場の現状と将来展望』富士経済 2004
榊裕之, 横山直樹 共編『ナノエレクトロニクス』オーム社 2004 (ナノテクノロジー基礎シリーズ)
苅宿俊文 『ナノテクノロジー : 1mの10億分の1が未来を変える』偕成社 2004 (つかめ!最新テクノロジー ; 4)
森田清三 編『極微な力で拓くナノの世界 : 原子・分子のナノ力学最前線 : 第18回「大学と科学」公開シンポジウム講演収録集』クバプロ 2004
放送大学学園 制作・著『物質の科学と先端技術 2004 14 産業の扉を開くナノテクノロジーと材料革命』 放送大学教育振興会 2004 (放送大学ビデオ教材)
危険物保安技術協会業務企画部 「豆知識 ナノテクノロジー」『 Safety & tomorrow』通号 93、 2004-01
中小企業金融公庫調査部編『ナノテクノロジーの動向と中小企業のビジネスチャンス』中小企業金融公庫調査部 2004 (中小公庫レポート ; No.2003-6)
「特集 ナノテクノロジー/ナノサイエンス」『計算工学』日本計算工学会編集委員会 編 9(4) 2004

応用物理学会『International Workshop on Plasma Nano-Technology and Its Future Vision 』2004
小石眞純 監修『機能性微粒子とナノマテリアルの開発 : 材料設計のためのナノテクノロジー』フロンティア出版 2004
北陸産業活性化センター『北陸におけるナノテクノロジーの展開を理解するために』2004
横山浩 編著『ナノ材料科学』オーム社 2004 (ナノテクノロジー基礎シリーズ)
中村孝志『ナノテクノロジーを用いて作成した骨結合生体活性チタンの整形外科への応用』京都大学 2004
日本化学会 編『界面・コロイド/ナノテクノロジー/分子エレクトロニクス/ナノ分析』丸善 2004 (先端化学シリーズ ; 6)
日本表面科学会 編『ナノテクノロジーのための走査電子顕微鏡』丸善 2004 (表面分析技術選書)
松重和美 監修,辻野貴志, 箕輪剛, 岩田貴陽 著『CD-ROM・カラーCGで見るナノテクノロジーの世界』数研出版 2004 (Chart books special issue)
日本鉄鋼協会 編『鉄鋼材料の進歩を支えるナノテクノロジー』2004 (白石記念講座 = SMS-ISIJ, 第53・54回)
「鉄鋼技術とナノテクノロジー特集」『新日鉄技報』 (381) 2004
杉町勝『ナノテクノロジーによる機能的・構造的生体代替デバイスの開発 : 平成15年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働省科学研究補助金(萌芽的先端医療技術推進研究事業) 』2004
北陸産業活性化センター『地域産業を高度化するナノテクノロジー調査 : 北陸地域における現状と課題』2004
北陸産業活性化センター 〔編〕『地域産業を高度化するナノテクノロジー調査 別冊 』2004
三菱総合研究所『バイオ人材育成システム開発事業 : バイオテクノロジーとナノテクノロジーの融合:ナノバイオ人材』 2004
阿尻雅文 監修『超臨界流体とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2004
竹安邦夫 編『ナノバイオロジー : ナノテクノロジーによる生命科学』共立出版 2004
杉本直己 編 「ナノバイオエンジニアリング : 生命と物質の融合をめざして」『化学同人』 2004 (化学フロンティア ; 13)
阿尻 雅文,高見 誠一,梅津 光央 他「ナノテクノロジーとバイオアセンブリー」『資源と素材』資源・素材学会誌 120(4・5) 2004
関西大学先端科学技術推進機構『テラビット級超高密度情報ストレージのナノテクノロジー開発研究グループ 1』 2004
向井 淳彦「ナノテクノロジーとプラスチック」『プラスチック成形技術』 20(2) (通号 229) 2004-02
中島 孝之「ナノテクノロジーと「ダイヤセラナノン」について」『塗装と塗料』塗料出版社 [編] 667 2004-11
井上 明久「ナノコンポジットメタル (特集 ナノテクノロジー)」『パリティ』 19(4) 2004-04
「特集:ナノテクノロジーとネットワークポリマー」『ネットワークポリマー』合成樹脂工業協会 [編] 25(1) 2004
田中 伸幸 「エネルギー・環境分野のナノテクノロジー (特集 ナノテクノロジーの最新開発動向)」『電気評論』 電気評論社 [編] 89(10) 2004-10
佐藤 勝昭 「記録技術におけるナノテクノロジー(<小特集>映像情報メディアにおけるナノテクノロジー)」『映像情報メディア学会誌』58(9) 2004-09
村瀬 至生「表示技術におけるナノテクノロジー(<小特集>映像情報メディアにおけるナノテクノロジー)」『映像情報メディア学会誌』58(9) 2004-09
大泊 巌「ナノテクノロジーの現状と課題(<小特集>映像情報メディアにおけるナノテクノロジー) 」『映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア』 58(9) 2004-09-01
水野博之 監修,平尾孝 [ほか]編『イオン工学ハンドブック : ナノテクノロジーへの道を拓く : 薄膜合成・加工・イオン注入・表面改質・デバイス応用・マイクロマシン等』イオン工学研究所 2004

2005年

科学技術振興機構研究開発戦略センター『俯瞰ワークショップ(ナノテクノロジー・材料分野)-ナノテクノロジー・材料分野トップ有識者会合-報告書』
2005
『ナノテクノロジー白書』ナノテクノロジー産学官連携学際研究プロジェクトチーム 監修 ストラテジック・リサーチ 2005
DVD・CD『ナノテクノロジー白書』ナノテクノロジー産学連携研究プロジェクトチーム 監修 ストラテジック・リサーチ 2005
経済産業省製造産業局ナノテクノロジー材料戦略室「ナノテクベンチャー企業の実態調査(概要) 」『経済産業公報』経済産業調査会 編 (15763) 2005-05
『ナノ機能融合制御グループ2005年研究報告書』産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門ナノ機能融合制御グループ 2005

阿多誠文, 根上友美 編著『未来社会への架け橋ナノテクノロジー : 技術、政策、社会的課題』日経ナノテクノロジー 監修 2005
マツザキヨシユキ 著,おおの麻里 絵『ナノテクノロジーなの。恋の魔法なの』新風舎 2005
水谷亘 著『よくわかるナノテクノロジーの基本と仕組み : 超微細スケールの世界』秀和システム 2005 (図解入門)
ニューフード・クリエーション技術研究組合 編『食品産業における新規分離抽出技術の開発』恒星社厚生閣 2005
河田聡 監修,佐藤銀平 著『「図解」ナノテクノロジーしくみとビジネスが3分でわかる本』技術評論社 2005
「特集1 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 19(2) (通号 210) 2005-02
みずほ情報総研株式会社『「平成16年度超微細技術開発産業発掘戦略調査」ナノテクノロジーに関するビジネス動向調査報告書』みずほ情報総研 2005
水谷亘著『図解入門*よくわかるナノテクノロジーの基本と仕組み : 超微細スケールの世界』秀和システム 2005
「特集/進化するナノテクノロジー」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005

田中昭代『ナノテクノロジー新素材の健康リスク評価』九州大学 2005
Freitas, Robert, “What is nanomedicine,” Nanomedicine, Volume 51, Issue 6, June 2005,
寺尾啓二 著,池上紅実 編『世界でいちばん小さなカプセル : 環状オリゴ糖が生んだ暮らしの中のナノテクノロジー』日本出版制作センター 2005
羽根一博, 梅田倫弘 編著 『光ナノテクノロジー : 近接場光学・微細加工の原理から最先端研究まで』アドスリー 2005
大塚二郎 著『ナノテクノロジーと超精密位置決め技術』工業調査会 2005
重川秀実, 吉村雅満, 坂田亮, 河津璋 共編『走査プローブ顕微鏡と局所分光 : 実戦ナノテクノロジー』裳華房 2005
日本ゴム協会ゴム技術フォーラム 編『ナノテクノロジーとソフトマター』ポスティコーポレーション 2005
作花済夫 監修『ゾル-ゲル法のナノテクノロジーへの応用』シーエムシー出版 2005
福井壽男『ナノテクノロジーを用いた機械的性質に優れる黒変しない歯科鋳造用銀合金の創製』愛知学院大学 2005
杉町勝『ナノテクノロジーによる機能的・構造的生体代替デバイスの開発 : 平成16年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働省科学研究補助金(萌芽的先端医療技術推進研究事業)』 2005
日本化学会編『ナノテクノロジーの化学』丸善 2005-07 (実験化学講座)
橋本典也『ナノテクノロジーを応用した歯科用バイオセンサの開発』大阪歯科大学 2005
「ナノテクノロジー特集」『放射光』日本放射光学会誌 / 日本放射光学会 編 18(3) 2005-05
小林 隆弘「ナノテクノロジーと健康影響 (特集 ナノテクノロジーと環境) 」『資源環境対策』 41(7) (通号 563) 2005-06
藤田 省三「ナノテクノロジーの最新動向 (特集 ナノテクノロジーと環境)」『資源環境対策』 41(7) (通号 563) 2005-06
田中順三, 下村政嗣監修『ソフトナノテクノロジー』シーエムシー出版 2005-05
齋藤 永宏,石崎 貴裕,井上 泰志 他「バイオミメティックナノテクノロジー (特集/進化するナノテクノロジー) 」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
「特集 ナノテクノロジーと環境」『資源環境対策』 41(7) (通号 563) 2005-06 p.29〜86
「ナノ領域の自己組織化技術」『東レリサーチセンター調査研究部門』 2005 (TRC R & D library)
長谷川 雅考,津川 和夫,石原 正統 他 「ナノダイヤコーティング (特集/進化するナノテクノロジー)」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
嶋本伸雄 編『ナノバイオ入門 : ナノバイオロジーとナノバイオテクノロジー』サイエンス社 2005 (新・生命科学ライブラリ バイオと技術 ; 3)
小野 崇人「ナノテクノロジーのためのツールとしてのMEMS (特集/進化するナノテクノロジー) 」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
「ナノテクノロジーの現場から (特集欄 ナノテクノロジーにおけるものづくり)」『機械の研究』57(1) 2005-01
中山 亨「経済産業省におけるナノテクノロジー政策 (特集/進化するナノテクノロジー)」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
逢坂 哲彌,佐山 淳一「電気化学ナノテクノロジーの新展開 (特集/進化するナノテクノロジー) 」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
縄舟 秀美,赤松 謙祐,池田 慎吾「ナノテクノロジーの表面技術への展開 (特集/進化するナノテクノロジー)」『表面技術』表面技術協会 [編] 56(12) 2005
木村 滋,小林 啓介「はかる(ナノ評価技術) SPring-8のナノテクノロジー材料研究 (ナノテクノロジー特集)」『放射光 : 日本放射光学会誌』日本放射光学会 編 18(3) 2005-05
木野 修宏「ナノテクノロジーと環境をめぐる国内外の政策動向 (特集 ナノテクノロジーと環境)」『資源環境対策』41(7) 2005-06
川副 博司「ナノテクノロジーを産業化するための課題 (特集欄 ナノテクノロジーにおけるものづくり ; ナノテクノロジーの現場から) 」『機械の研究』 57(1) 2005-01
関西大学先端科学技術推進機構『テラビット級超高密度情報ストレージのナノテクノロジー開発研究グループ 2』 2005

2006年
ジェニファー カーン「特集 ナノテクノロジーの波」『 National geographic』日経ナショナルジオグラフィック社 [編] 12(6) 2006-06 p.98〜121
「特集1 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 20(2) (通号 222) 2006-02 p.16〜35

科学技術振興機構研究開発戦略センター『科学技術未来戦略ワークショップ〜ボトムアップ型ナノテクノロジー〜報告書』2006
青森県 編『Nanotechnology ナノテクノロジー : ナノテクノロジー利活用事例紹介』青森県 2006
『ナノテクノロジー技術開発促進調査委員会報告書』2006
杉町勝『ナノテクノロジーによる機能的・構造的生体代替デバイスの開発に関する研究 : 平成17年度総括研究報告書 : 厚生労働科学研究補助金萌芽的先端医療技術推進研究事業』 2006

『日本力をリードするナノテク企業精選74社』 日刊工業新聞特別取材班, 大阪科学技術センター関西ナノテクノロジー推進会議 編 日刊工業新聞社 2006
『ナノテクノロジー関連市場の現状と将来展望』富士経済 2006
みずほ情報総研株式会社『ナノテクノロジーの産業化展望に関する調査調査報告書』みずほ情報総研 2006
阿多誠文, 石橋賢一, 根上友美, 関谷端木著『ナノテクノロジーの社会受容 : ナノ炭素材料を題材に』 エヌ・ティー・エス 2006
野村総合研究所 著『ビジネスとしてのナノテク大全 : 2010/2015年のナノテク市場を可視化する』野村総合研究所広報部 2006
五十嵐 理慧,山口 葉子「ナノテクノロジーによる新規DDS--NANOEGGとNANOCUBE (特集 新しいナノテクノロジーの展望) 」『ケミカルエンジニヤリング』 化学工業社 [編] 51(12) (通号 623) 2006-12 p.934〜940
水谷 亘「ナノテクノロジーの現状と展望 (特集 ナノテクノロジーのための計測技術) 」『計測と制御』 45(2) 2006-02 p.87〜92
飯島 澄男,野城 清,板東 義雄 他「特集座談会 ナノテクノロジーに挑む」『 Best partner』浜銀総合研究所 [編] 18(8) (通号 212) 2006-8

石津浩二『分岐ポリマ−のナノテクノロジ−』2006-11-30
吉川友章『ナノテクノロジーを基盤とした新規DDSキャリアーの創製と応用に関する研究』2006
関西大学先端科学技術推進機構『テラビット級超高密度情報ストレージのナノテクノロジー開発研究グループ 3』2006
細野秀雄, 神谷利夫『透明金属が拓く驚異の世界 : 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術ソフトバンククリエイティブ 2006 (サイエンス・アイ新書 )
第7回創薬ビジョンシンポジウム事務局 編『創薬ビジョンシンポジウム : 講演要旨集 第7回(ナノテクノロジー・ナノバイオテクノロジーと創薬・医療)』 2006
河合憲康『ナノテクノロジーを用いた磁場誘導加温法による前立腺癌骨転移治療に向けての基礎研究』 名古屋市立大学 2006
河合剛太, 金井昭夫 編『機能性non-coding RNA』クバプロ 2006
玉置泰裕『加齢黄斑変性に対する新規治療法の開発 : ナノテクノロジーによる創薬および黄斑再生』2006
「ナノテクノロジーとバイオセンサ」『臨床検査』 50(12) (増刊) 2006 p.1327〜1597
斎藤 永宏,石崎 貴裕,高井 治「バイオミメティックナノテクノロジー (特集 新しいナノテクノロジーの展望) 」『ケミカルエンジニヤリング』化学工業社 [編] 51(12) (通号 623) 2006-12
福井 寛「ナノテクノロジーと化粧品」『表面』表面談話会・コロイド懇話会 編 44(4) 2006-04
「海外技術情報 包装とナノテクノロジー」『食品と容器』缶詰技術研究会 [編] 47(3) (通号 548) 2006
伊澤 槇一「高分子に見るナノテクノロジーの展開 (特集 ナノテクノロジーの展開--材料・加工)」『プラスチックスエージ』 633号、2006-05
「特集 粉体ナノテクノロジーの進展」『ケミカルエンジニヤリング』化学工業社 [編] 51(3) (通号 614) 2006-03
伊藤征司郎 監修『機能性顔料とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2006

2007年
J.ストーズ・ホール、斎藤隆英訳『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』 紀伊国屋書店、2007年

科学技術振興機構研究開発戦略センター『「ナノテクノロジー・材料分野」俯瞰ワークショップ報告書 』科学技術振興機構研究開発戦略センター 2007
『重点8分野の特許出願状況調査報告書 平成18年度 ナノテクノロジー・材料分野』特許庁 2007
旭リサーチセンター『ナノテクノロジー技術動向調査報告書』経済産業省 2007-03
知的財産戦略本部知的財産による競争力強化専門調査会ナノテクノロジー・材料分野プロジェクトチーム『ナノテクノロジー・材料分野プロジェクトチーム調査検討報告書』首相官邸 2007-10-30

山口富子 編著,F.シャトーレイノ, L.ボルタンスキ, J.P.デュピュイ, F.ルル 著,須田文明 訳『科学技術をめぐる言説論的アプローチの展望 : ナノテクノロジーを事例に』国際基督教大学 2007 (社会科学研究所モノグラフシリーズ = Social Science Research Institute monograph series 12)
荻野俊郎, 宇理須恒雄 編『ナノテクのためのバイオ入門』共立出版 2007 (ナノテクノロジー入門シリーズ ; 1)
本間芳和, 北森武彦 編『ナノテクのための化学・材料入門』共立出版 2007 (ナノテクノロジー入門シリーズ ; 2)
菅原康弘, 粉川良平 編『ナノテクのための物理入門』共立出版 2007 (ナノテクノロジー入門シリーズ ; 3)
猪飼篤, 白石賢二 編『ナノテクのための工学入門』共立出版 2007 (ナノテクノロジー入門シリーズ ; 4)
日本表面科学会編集『ナノテクのための物理入門』」共立出版 2007-04 (ナノテクノロジー入門シリーズ)
高輝度光科学研究センター 編『重点ナノテクノロジー支援課題研究成果報告書 = Nanotechnology』2007
「特集1 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 21(2) (通号 234) 2007-02
「特集 ナノテクノロジーの基本」『化学と工業』 60(2) 2007-02
「次世代ナノテクノロジー論文特集」『電子情報通信学会論文誌』 C, エレクトロニクス / 電子情報通信学会 編 90(1) (通号 469) 2007-01
市原 達朗「ナノテクノロジーが拓く未来」『染色研究』 51(4) 2007-10

廣田亮平「特集1 ナノバイオ医療革命」、『東京大学テクノロジー&サイエンス―シーズとニーズをつなぐ技術・科学の研究動向』第1号、日経BPムック
片岡一則 監修,東京大学医療ナノテクノロジー人材養成ユニット編『医療ナノテクノロジー : 最先端医学とナノテクの融合』杏林図書 2007
島田邦男 監修『化粧品開発とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2007
小石眞純, 榑松一彦 監修『ナノテクノロジー時代の含浸技術の基礎と応用』テクノシステム 2007
上條榮治 監修『プラズマ・イオンビームとナノテクノロジー』シーエムシー出版 2007 (CMCテクニカルライブラリー ; 252)
山岡亞夫 監修『ナノテクノロジーとレジスト材料』シーエムシー出版 2007 (CMCテクニカルライブラリー ; 256)
国武豊喜 監修,下村政嗣, 山口智彦 編集幹事,居城邦治, 亀井信一, 高野潤一郎 編『自己組織化ナノマテリアル : フロントランナー85人が語るナノテクノロジーの新潮流』フロンティア出版 2007
京都高度技術研究所『産業技術動向調査(ナノテクノロジー・材料技術に関する動向調査)報告書 平成18年度』京都高度技術研究所 2007
みずほ情報総研株式会社『超微細技術開発産業発掘戦略調査「ナノテクノロジーの社会普及促進調査」調査報告書 平成18年度』みずほ情報総研 2007
西山喜代司『基礎からわかるナノテクノロジー : ITからバイオテクノロジー、医療、環境、エネルギーまで』ソフトバンククリエイティブ 2007 (サイエンス・アイ新書 ; SIS-12)
特許庁『ナノテクノロジーの応用 : カーボンナノチューブ、光半導体、走査型プローブ顕微鏡』2007-04 (特許出願技術動向調査報告書(平成18年度)
杉町勝『ナノテクノロジーによる機能的・構造的生体代替デバイスの開発 : 平成18年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金(萌芽的先端医療技術推進研究事業)』 2007
JFEテクノリサーチ株式会社「超微細技術開発産業発掘戦略調査(ナノテクノロジーの研究・製造現場における適切な管理手法に関する調査研究)報告書 平成18年度(2006年)」JFEテクノリサーチ 2007
飯島 澄男,湯田坂 雅子,二瓶 史行「カーボンナノチューブ技術 (ナノテクノロジー特集 ; ナノテクノロジー基盤技術) 」『NEC技報』NECデザイン&プロモーション株式会社 編 60(1) (通号 435) 2007-01
齋藤烈, 杉山弘, 中谷和彦 編『ゲノム化学 : 医学,分子生物学への応用と展開』化学同人 2007 (化学フロンティア ; 18)
「エレクトロニクス・フォトニクス (ナノテクノロジー特集) 」『 NEC技報 / NECデザイン&プロモーション株式会社 編 60(1) (通号 435) 2007-01
「海外資料 食品業界とナノテクノロジー」『缶詰時報』日本缶詰協会 [編] 86(3) (通号 987) 2007-03
馬場 寿夫 「特集概説:NECグループのナノテクノロジーへの取り組み (ナノテクノロジー特集) 」『NEC技報』 NECデザイン&プロモーション株式会社 編 60(1) (通号 435) 2007-01
「ナノテクノロジー基盤技術 (ナノテクノロジー特集)」『NEC技報』NECデザイン&プロモーション株式会社 編 60(1) (通号 435) 2007-01
Spagnolo, Antonio G. and Daloiso, Viviana, “Outlining Ethical Issues in Nanotechnologies,” Bioethics, Blackwell Publishing,


2008年ーナノテクノロジーの倫理問題などが取り上げられ始める。
産業技術総合研究所『きちんとわかる ナノバイオ』産総研ブックス、白日社、2008年
産業技術総合研究所ナノテクノロジー戦略ワーキンググループ編『産業展開のためのナノテクノロジー戦略?社会受容の動向と課題?』工業調査会、2008年
科学技術振興機構研究開発戦略センター『「物質・材料分野」俯瞰ワークショップ-ナノテクの成果・融合の効果・今後の課題-報告書』2008
農林水産省農林水産技術会議事務局 編『生物機能の革新的利用のためのナノテクノロジー・材料技術の開発』2008 (研究成果 ; 第459集)

関谷瑞木「ナノテクノロジーの倫理的・法的・社会的影響?課題と情報発信について」阿多誠文編『ナノテクノロジーの実用化に向けて?その社会的課題への取り組み』技報堂出版、2008年
柴田清「「ナノテクノロジー」編集にあたって」、『ナノテクノロジー』科学技術社会論研究6、科学技術社会論学会、玉川大学出版部、2008年
五島綾子、竹中厚雄、柳下皓男「日米におけるナノテクノロジーの解釈と研究開発の相違?カーボンナノチューブを事例にして?」、『ナノテクノロジー』科学技術社会論研究6、科学技術社会論学会、玉川大学出版部、2008年
平野靖史郎「ナノ粒子・ナノ材料の健康問題?その1?ナノ粒子健康影響の動向」、『日本衛生学雑誌』第63巻第1号、2008年
広瀬明彦、平野靖史郎「ナノ粒子・ナノ材料の健康問題?その3?ナノ粒子の毒性・健康問題」、『日本衛生学雑誌』第63巻第4号、2008年
Gary, Stix, “Jacking into the Brain,”Scientific American, November (2008)
Henk A. M. J. (ed.), “Nanotechnologies, Ethics and Politics” Ethics Series,UNESCO Publishing

服部憲治郎, 山本靖 著『ナノテクノロジーと有機材料』米田出版 2008
阿多誠文 編著『ナノテクノロジーの実用化に向けて : その社会的課題への取り組み』技報堂出版 2008
山下一郎, 芝清隆 監修『バイオナノプロセス : 溶液中でナノ構造を作るウェット・ナノテクノロジーの薦め』シーエムシー出版 2008

越川孝範, 安江常夫, 小林啓介, 木下豊彦, 小野寛太 編『LEEM/PEEMを用いた表面研究の新しい展開 : ナノテクノロジー総合支援プロジェクトワークショップ : PF研究会』High Energy Accelerator Research Organization 2008 (KEK proceedings ; 2007-15)
放送大学学園 制作・著作『技術革新を支える物質の科学 2008-6 2.知識社会の創造 科学の統合で開くナノテクノロジー』放送大学教育振興会 2008
坂本達則『ナノテクノロジーを用いたDDSによる耳鳴の克服 : 平成19年度総括研究報告書』 厚生労働科学研究費補助金(医療機器開発推進研究事業) 2008
伊藤壽一『ナノテクノロジー、再生医学を融合した人工内耳・人工蝸牛の開発 : 平成19年度総括・分担研究報告書』 厚生労働科学研究費補助金(感覚器障害研究事業) 2008

静岡学術フォーラム事務局 編集・製作『静岡健康・長寿学術フォーラム記録集 第12回』 静岡県 2008
「計測技術」編集委員会 編『食品の安全・安心を守る分析・評価技術 : 食品分析・評価装置のすべてがわかる』日本工業出版 2008 (計測技術別冊号)
「特集 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 22(2) (通号 246) 2008-02 p.12〜26
久賀 太「ナノテクノロジー最前線」『JACEM : Japan Agricultural Engineering Mechanization Association』農業土木機械化協会 [編] (46) 2008
石内 秀美,伊藤 義康,稲葉 道彦「ナノテクノロジー最前線 (特集 ナノテクノロジー)」『東芝レビュー』東芝ドキュメンツ株式会社 編 63(2) (通号 704) 2008-02
「特集 ナノテクノロジー」『パナソニック技報』 54(3) 2008-10 p.166〜192
亀井 信一「ナノテクノロジーの市場動向 (特集 ナノテクノロジーの開発のための基盤技術) 」『電子材料』47(2) 2008-02
「特集 ナノテクノロジー」『東芝レビュー』東芝ドキュメンツ株式会社 編 63(2) (通号 704) 2008-02
「特集 ナノテクノロジー」『科学技術社会論研究』科学技術社会論学会編集委員会 編 (6) 2008-10
竹村 誠洋「ナノテクノロジーの社会的影響」『検査技術』検査技術編集委員会 編 13(5) (通号 139) 2008-05
柴田 清「ナノテクノロジー編集にあたって (特集 ナノテクノロジー) 」『科学技術社会論研究』科学技術社会論学会編集委員会 編 (6) 2008-10
「国際ナノテクノロジー総合展から(2) 」『塗装と塗料』 塗料出版社 [編] 719 2008-08

2009年
新エネルギー・産業技術総合開発機構ナノテクノロジー・材料技術開発部 『ナノテクノロジー・材料技術開発』2009
『科学技術・研究開発の国際比較 : ナノテクノロジー・材料分野 2009年版』 科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジーユニット/物質・材料ユニット 2009
産業技術総合研究所 編『ナノテクノロジーで未来を拓く : 社会と共に創るナノ材料開発支援のための知識基盤』エヌ・ティー・エス 2009

加藤 穣「ナノテクノロジーとその医療への応用における倫理的諸問題」『医療・生命と倫理・社会 』2009年3月
春田正毅 監修『金ナノテクノロジー : その基礎と応用』シーエムシー出版 2009
『重点8分野の特許出願状況調査報告書 平成20年度 ナノテクノロジー・材料分野』特許庁 2009
中嶋光敏, 杉山滋 監修『フードナノテクノロジー』シーエムシー出版 2009

竹内薫, 荒野健彦 著『「透明人間」の作り方 : ナノテクノロジーが実現する「透明化装置」のいま』宝島社 2009 (宝島社新書)
三菱総合研究所『ナノテクノロジーを活用した環境技術開発等推進事業「情報基盤整備事業」報告書 平成20年度』 2009
坂本達則『ナノテクノロジーを用いたDDSによる耳鳴の克服 : 平成20年度総括研究報告書』厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進研究事業 2009
表研次『ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業進捗状況報告書ー課題名:新規ナノマテリアルを用いた超フレキシブル有機太陽電池の研究 平成20年度分』2009
環境テクノロジーセンター『ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業 : 小形多機能環境センサによる環境汚染の総合認識システムの開発 平成20年度』環境テクノロジーセンター 2009
『平成20年度環境技術開発推進事業研究委託業務進捗状況報告書ー平成20年度ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業(その2)』2009
科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジーユニット/編『「安全・品質を担保するための食成分・機能情報の定量化」 : 10年後の消費社会へ向けて』2009
KathleenSellers. ; ChristopherMackey. ; LynnL.Bergeson. ; StephenR.Clough. ; MarilinHoyt. ; JulieChen. ; KimHenry.;JaneHamblen.『Nanotecnology and the environment』CRC Press., 2009
国際標準化機構著、日本規格協会訳『ナノテクノロジー?ナノ物体の用語及び定義?ナノ粒子,ナノ繊維及びナノプレート : 英和対訳版』 日本規格協会出版事業部出版サービス第一課 2009
横山 浩「ナノテクノロジー講座(第1講)ナノテクノロジー総論」『色材協会誌』82(4) 2009-04
松田 良夫「東レのナノテクノロジー研究・開発戦略 (特集 ナノテクノロジーの最新技術)」『JETI : Japan energy & technology intelligence』ジェティ [編] 57(8) 2009-07
「特集 ナノテクノロジーの最新技術」『JETI : Japan energy & technology intelligence』ジェティ [編] 57(8) 2009-07
「特集 ナノテクノロジーと微細加工技術」『電子材料』48(2) 2009-02

2010年
吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー』技術評論社、2010年

新エネルギー産業技術総合開発機構 新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部 2010
『「ナノテクノロジー分野」俯瞰ワークショップ報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジーユニット 2010
『「ナノテクノロジー」グランドデザイン : グローバル課題解決の鍵となる技術領域』 科学技術振興機構研究開発戦略センター物質・材料/ナノテクノロジーユニット 2010
『重点8分野の特許出願状況調査報告書 平成21年度 ナノテクノロジー・材料分野』特許庁 2010
坂本達則『ナノテクノロジーを用いたDDSによる耳鳴の克服 : 平成21年度総括研究報告書』厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進研究事業 2010
福田淳二『マイクロ・ナノテクノロジーを用いた細胞組織構築のための培養皿の開発 : 平成21年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金再生医療実用化研究事業』2010
伊藤壽一『ナノテクノロジー、再生医学を融合した人工内耳・人工蝸牛の開発に関する研究 : 平成21年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金(感覚器障害研究事業) 』2010
科学技術振興機構研究開発戦略センター『分子技術 : "分子レベルからの新機能創出"〜異分野融合による持続可能社会への貢献 : 戦略イニシアティブ』
2010

阿尻雅文 監修『超臨界流体技術とナノテクノロジー開発』シーエムシー出版 2010 (CMC TL ; 341. 新材料・新素材シリーズ)
『電子・情報技術開発 2010』新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部 2010
今堀博, 金光義彦, 有賀克彦 著『ナノテクノロジー』丸善 2010 (化学マスター講座)
『ナノテクノロジー・材料技術開発 [2010] 』新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部 2010
吉田典之『ここまで来たナノテクノロジー : 産業化する原子の世界』技術評論社 2010 (知りたい!サイエンス)
産業技術総合研究所編『ナノテクノロジーのイノベーション指標 : 研究開発から事業化へ向けたビジネスモデル構築のヒント』エヌ・ティー・エス 2010

「特集 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 24(2) (通号 270) 2010-02
杉山 滋,大谷 敏郎「食品とナノテクノロジー」『食品衛生学雑誌』日本食品衛生学会 [編] 51(2) (通号 291) 2010-04
田口 哲男「ナノテクノロジーと労働の安全性」『科学的社会主義』社会主義協会 [編] (148) 2010-08
「特集 ナノテクノロジーのビジネス創出」『電子材料』 49(2) 2010-02
「特集 ナノテクノロジー技術の最新動向」『JETI : Japan energy & technology intelligence』ジェティ [編] 58(8) 2010-07

2011年
『主要国のナノテクノロジー政策と研究開発・共用拠点 : G-TeC報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2011
『科学技術・研究開発の国際比較 : ナノテクノロジー・材料分野 2011年版』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2011
『科学技術・研究開発の国際比較 2011年版』 科学技術振興機構研究開発戦略センター 2011
『「ナノテクノロジーの未来を展望する日米韓台ワークショップ」報告書 : ナノテクノロジー・材料分野俯瞰ワークショップ』 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2011
T.Pradeep 著,木村啓作, 八尾浩史, 佐藤井一 訳『ナノの本質 : ナノサイエンスからナノテクノロジーまで』共立出版 2011
『科学技術未来戦略ワークショップ「次々世代二次電池・蓄電デバイス技術」報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2011
『サステナブルナノマニュファクチャリングシンポジウム : ナノ成膜とナノ粒子プロセス : 講演資料集』産業技術総合研究所ナノテクノロジー・材料・製造分野研究企画室 2011
『科学技術未来戦略ワークショップ「ネットワーク型最先端エネルギー環境研究開発拠点」報告書』 科学技術振興機構研究開発戦略センター環境・エネルギーユニット/ナノテクノロジー・材料ユニット 2011

ナノテクノロジー・ネットワーク編集委員会編,物質・材料研究機構監修『グリーンナノテクノロジー : 環境・エネルギー問題に挑戦する人々』日刊工業新聞社 2011
産業技術総合研究所 編著『PEN : ナノテクノロジーの社会受容のために 2010年度版』白日社 2011
田中順三, 下村政嗣 監修『ソフトナノテクノロジーにおける材料開発』シーエムシー出版 2011 (CMC TL ; 411. 新材料・新素材シリーズ)
Edward L.Wolf著,吉村雅満, 目良裕, 重川美咲子, 重川秀実 訳『ナノ構造の科学とナノテクノロジー : 量子デバイスの基礎を学ぶために』共立出版 2011
三菱総合研究所『アジアにおけるナノテクノロジー分野の戦略に関する実態調査 調査報告書 : 平成22年度産業技術調査事業委託費』 2011
『フードナノテク : 食品分野へのナノテクノロジーの応用の現状と諸課題』2011 (TA (technology assessment) report : 技術の社会的影響評価 ; 1)
中村浩之『ホウ素ナノデバイス型中性子捕捉治療 : 平成20年度-22年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進研究事業: 低侵襲・非侵襲医療機器 (ナノテクノロジー) 研究』2011
「特集 ナノテクノロジー」『月刊トライボロジー』 25(2) (通号 282) 2011-02
馬場 嘉信/監修『ナノテクノロジー時代のバイオ分離・計測技術』シーエムシー出版 2011 ([CMCテクニカルライブラリー] ; 399
篠原久典 監修『ナノカーボンの応用と実用化 : フラーレン・ナノチューブ・グラフェンを中心に』シーエムシー出版 2011 ([新材料・新素材シリーズ])
「特集 ナノテクノロジーの最新技術」『JETI : Japan energy & technology intelligence』ジェティ [編] 59(8) 2011-07

2012年
『電子・材料・ナノテクノロジー分野 : 2011年度事業紹介』新エネルギー産業技術総合開発機構 新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部 2012
『事業紹介 : 電子・情報システム分野材料・ナノテクノロジー分野』 新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部、2012
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室PEN編集室編『ナノテクノロジーの研究開発と社会受容 : 豊かな未来のための技術革新 : PEN 2011年度版』 共同文化社 2012
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室PEN編集室編『PEN : PUBLIC ENGAGEMENT WITH NANO-BASED EMERGING TECHNOLOGIES NEWSLETTER 2011年度版』共同文化社(発売) 2012
『次々世代二次電池・蓄電デバイス基盤技術 = Next-next-generation rechargeable batteries and electric storage device technologies : 低炭素社会・分散型エネルギー社会実現のキーデバイス : 戦略イニシアティブ』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2012
産業技術総合研究所編著『未来をひらく国際標準 : 国際ルールづくりに自ら参加する日本へ』白日社 2012
『二次元機能性原子薄膜による新規材料・革新デバイスの開発 = Development of new materials and innovative devices using atomically thin 2D functional films : 戦略プログラム』科学技術振興機構研究開発戦略センター(国立研究開発法人)ナノテクノロジー・材料ユニット 2012

伊藤 征司郎/監修『機能性顔料とナノテクノロジー』シーエムシー出版 2012
梅津光生「循環器系dryラボセンターを駆使した治療リスクの低減システム構築と人材育成に関する研究 : 平成23年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進研究事業 (医療機器開発 (ナノテクノロジー等) 総合推進研究事業)」2012
宮崎徹「ナノ・テクノロジーを用いたプロピオン酸血症の新規治療法の開発に関する研究 : 平成22年度-23年度総合研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業」2012
吉田 一朗「ナノテクノロジーに貢献する微細形状測定機 (特集 ナノテクノロジー) 『月刊トライボロジー』 26(2) (通号 294) 2012-02

2013年
『ナノテクノロジー・材料分野 : 研究開発の俯瞰報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2013
『デジタルデータの長期安定保存のための新規メモリ・システムの開発 = Development of a novel storage system for stable, long-term preservation of digital data : 戦略プロポーザル』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2013
科学技術振興機構研究開発戦略センター『環境・エネルギー分野、ライフサイエンス・臨床医学分野、電子情報通信分野、ナノテクノロジー・材料分野、システム科学技術分野 : 研究開発の俯瞰報告書 : 本編概要版 2013年』2013

小野晃 監修,田中正躬 編著 『最新ナノテクノロジーの国際標準化 : 市場展開から規制動向まで』日本規格協会 2013
東健「レーザー消化管内視鏡治療装置の開発 : 平成24年度総括・分担研究報告書ー厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進研究事業 (医療機器開発「ナノテクノロジー等」総合推進研究) 事業」2013
畠山浩人「腫瘍血管内皮細胞への薬物送達システムによる耐性癌の化学療法と臨床応用へ向けた製剤化 : 平成24年度総括研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金医療機器開発推進 (医療機器開発 (ナノテクノロジー等) 総合推進) 研究事業」2013
本田 正寿「非調質鋼 (特集 ナノテクノロジーと分析技術 ; ナノテクノロジー関連製品・技術) 」『特殊鋼 62(5) (通号 668) 2013-09 p.9-11
村山 誠悟「ナノテクノロジーを支える超微粒化装置 (特集 ナノテクノロジー技術の最新展開)」 『JETI : Japan energy & technology intelligence』ジェティ [編] 61(8) 2013-07
小瀬 洋一「電子顕微鏡 (特集 ナノテクノロジーと分析技術 ; ナノテクノロジーを支える分析技術) 」『特殊鋼』 62(5) (通号 668) 2013-09
吉沢 克仁「ナノ組織磁性材料 (特集 ナノテクノロジーと分析技術 ; ナノテクノロジー関連製品・技術) 」『特殊鋼』 62(5) 2013-09
椛澤 均「スーパーマルチナイト処理 (特集 ナノテクノロジーと分析技術 ; ナノテクノロジー関連製品・技術)」『特殊鋼』 62(5) (通号 668) 2013-09

2014年
『俯瞰ワークショップ報告書ナノ計測技術領域分科会 : ナノテクノロジー・材料分野』科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2014
『俯瞰ワークショップ報告書バイオナノテクノロジー領域分科会 : ナノテクノロジー・材料分野』 科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2014
産業技術総合開発機構『事業紹介 : 電子・情報システム分野材料・ナノテクノロジー分野』 2014
産業技術総合開発機構『新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部』 2014
『俯瞰ワークショップ報告書ものづくり基盤技術分科会 : ナノテクノロジー・材料分野』 科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2014
『ナノテクノロジーの研究開発と社会受容 : 多様性から豊かな未来へ : PEN 2013年度版』 産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略オフィスPEN編集部 編著 共同文化社 2014
『ナノテクノロジーの研究開発と社会受容 : 持続可能な社会の実現に向けて : PEN 2012年度版』 産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室PEN編集室 編著 共同文化社 2014
春田正毅 監修『金ナノテクノロジー = Gold Nanotechnology : その基礎と応用』シーエムシー出版 2014 (新材料・新素材シリーズ)
『ナノテク・先端部材実用化研究開発』新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部 2014
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略室PEN編集室?編 『PEN : PUBLIC ENGAGEMENT WITH NANO-BASED EMERGING TECHNOLOGIES NEWSLETTER 2012年度版』共同文化社(発売) 2014
『微細ナノのアクチュエータ技術 : IPC/FIガイド付き』ネオテクノロジー、2014

2015年
産業技術総合開発機構『事業紹介 : 電子・情報システム分野材料・ナノテクノロジー分野』 2015
産業技術総合開発機構『新エネルギー・産業技術総合開発機構電子・材料・ナノテクノロジー部』 2015
『ナノテクノロジー・材料分野 = Panoramic view of the nanotechnology/materials field : 研究開発の俯瞰報告書 2015年』科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2015
『ナノスケール熱制御によるデバイス革新 = Nanoscale thermal management for device innovation : フォノンエンジニアリング : 戦略プロポーザル』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2015
『フォノンエンジニアリング : ナノスケール熱制御によるデバイス革新 : 科学技術未来戦略ワークショップ報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2015
科学技術振興機構研究開発戦略センター『環境・エネルギー分野、ライフサイエンス・臨床医学分野、ナノテクノロジー・材料分野、情報科学技術分野、システム科学技術分野 : 研究開発の俯瞰報告書 : 本編概要版 2015年』2015

中嶋光敏, 杉山滋 監修『フードナノテクノロジー = Food Nanotechnology』シーエムシー出版 2015 (食品シリーズ)
E&T総研『(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査: スリランカ国ナノ・テクノロジーパークにおける電力スマート化事業) 調査報告書』 平成26年度エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業 2015
宇尾 基弘「ナノテクノロジーとは(<特集>ナノテクノロジーの歯科応用) 」『日本歯科理工学会誌』 34(1) 2015-01-25 p.1-4
奥村 有道,西川 正浩,伊藤 久義「ダイセルにおけるナノテクノロジーへの取り組み (特集 ナノテクノロジーの技術開発) 」『JETI : Japan energy & technology intelligence 』 63(8) 2015-07

2016年
『ナノテクノロジー・材料分野領域別分科会「材料設計・制御-物質科学の未来戦略 (物性物理の観点から) -」 : 俯瞰ワークショップ報告書』 科学技術振興機構研究開発戦略センター 科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2016
『ナノ・IT・メカ統合によるスマート小型ロボット基盤技術 : 科学技術未来戦略ワークショップ報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2016
『ナノ・IT・メカ統合によるロボット基盤技術の革新 = Innovations of basic technology for robots through integration of nanotechnology, information technology, and mechanics : 人に寄り添うスマートロボットを目指して : 戦略プロポーザル』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2016
『分離工学イノベーション : 科学技術未来戦略ワークショップ報告書』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2016
『分離工学イノベーション = Innovations in separation engineering : 持続可能な社会を実現する分離の科学技術 : 戦略プロポーザル』科学技術振興機構研究開発戦略センターナノテクノロジー・材料ユニット 2016


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